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ダンジョンキッド 【だんじょんきっど】 ジャンル ダンジョンRPGコンストラクションソフト 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 クエスト 開発元 ピクセル 発売日 1990年8月31日 定価 6,500円 周辺機器 ターボファイル対応 判定 なし 概要 特徴 問題点 評価点 総評 概要 3DのダンジョンRPGを作成できるソフト。 特徴 主な仕様、エディットできる内容は以下の通り。 「町」は1つしか存在せず、ゲームのスタート地点も兼ねている。セーブを行えるのも、ここのみ。 アイテムショップ、宿屋、教会が唯一存在する場所でもある。 各施設は、店員のメッセージと値段を設定できる。 ダンジョンは最高で8フロアまで作ることができ、階段またはワープゾーンで繋げることができる。 宝箱、扉、鍵のかかった扉、ヒントメッセージ、ボスキャラを配置できる。 宝箱の中身はアイテムとトラップから選べる。 ヒントメッセージは5種類まで作ることができ、設定されたマスに乗れば流れる。 アイテムは武器、防具、道具、鍵が用意されている。 どのアイテムも名前、価格、非売品かどうかを設定できる。 装備品の場合は上昇数値も設定できるが、能力がマイナスされる装備品を作ることもできる。 道具はそれぞれ、効果自体は最初から決まっている。持っているだけでマッピングできる物、使うと町へワープできる物、ザコ敵から逃げる為のアイテムなども存在する。 魔法は攻撃、回復、防御力アップ、その他の4系統が用意されている。 設定できるのは名前、威力、習得レベル。 使用時のアニメーションや対象範囲は魔法毎に最初から決まっており、変更できない。 敵はグラフィック、名前、ステータス、使う魔法、ドロップアイテム、出現場所(フロア単位、または特定の場所のみ)を設定できる。 ボス敵は一度倒すと出現しなくなる。またドロップアイテムを設定していた場合は、ザコと違って必ず落とす。 ボスが登場した時に喋るセリフも5種類まで用意できる。 オープニングとエンディングのデモで、流れるテロップを入力できる。 パーティは最初から3人で固定。グラフィックはエディットモードで設定するが、名前と職業(*1)はニューゲーム時にプレイヤーが決める。 レベルアップ時の能力成長は職業ごとに決まっている。 問題点 文字入力は文字板からカーソルで選択するのではなく、上下キーで「あいうえおかきくけこさしすせそ…」と1文字ずつ選んでいかなければならないため、とにかく時間がかかる。 所謂「ゲームスイッチ」はエディットでは操作できない。イベントが消滅するかどうかはそのイベントの種類ごとに最初から決まっている。 ヒントメッセージは何度でも流れる。ボスは一度倒すと二度と現れない。宝箱はアイテムなら二度目は取れず、トラップだと何度でも作動する。 BGMは最初から完全固定で、変更機能はまったくない。戦闘BGMはボス戦・ザコ戦共に同じ。 サウンド自体は、岩田匡治氏による作曲・サウンドプログラムで全体的に高クオリティである。 戦闘BGMは同氏が過去に手掛けた『レリクス 暗黒要塞』のボスエリアのBGMのメロディーを流用している。 3人パーティで職業が12種類とは多過ぎである。特徴が被っている職業もある。 敵の魔法防御力は数値で設定できるのに、味方の魔法防御はステータス画面に表示されない。 グラフィックは「ファンタジー風」と「SF風」の2種類から予め選ぶことになるのだが、グラフィック以外は町のBGMしか変化しない。 その為外見だけは未来風の世界のはずなのに魔法・教会・妖精などが登場してしまうことになる。 「鍵で開けられる扉」と「ワープゾーン」を隣接させておき、扉を開けてワープのマスに乗ると、ワープが作動しない。 一度エディットモードを開くと、それまでプレイしていたデータは消されてしまう。 テストプレイはダンジョン内を歩くだけで、戦闘のバランスまではテストできず、普通にニューゲームで実際に戦って確かめるしかない。 敵の能力数値は細かく設定できるのに味方はできない。サンプルゲームの敵の能力値を下敷きにすれば無難なバランスにはなるが、逆を言えばそこからあまり大胆にはいじれないという事でもある。 評価点 このソフトの存在そのものが評価点であろう。 『RPGツクールシリーズ』の始祖がパソコンで発売されて僅か半年後、家庭用ゲーム機における『ツクール1』が出る5年も前に、しかもファミコンでRPG作成ソフトを世に出している。 単純に「ファミコンでのゲーム作成ソフト」というだけでも希少性は高い。カタカナは使えず敵のグラフィックも小さく色気も何もないが、「ダンジョンや敵の名前などを自由に変えられる」というだけで、当時の子供達にとっては魅力的な存在だったのだ。 総評 『ドラクエ』などによって家庭用のRPGも普及していた事から、「自分も作ってみたい」「自分ならこうするのに」という欲求を抱いた子供は多かったはず。そういった子供達の夢を叶えるというか他に似たようなのが出てないから選択の余地がないソフトであった。 説明書の中でサンプルゲーム『古城の魔法使い』についての様々な設定が書かれているが、そうした想像力を膨らませるのも1つの楽しみ方と言える。
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マリオパーティ7 【まりおぱーてぃせぶん】 ジャンル パーティゲーム 対応機種 ニンテンドーゲームキューブ メディア 専用8cm光ディスク 1枚 発売元 任天堂 開発元 ハドソンシーエイプロダクション 発売日 2005年11月10日 定価 5,524円(税別) プレイ人数 1~8人 周辺機器 ゲームキューブマイク対応 セーブデータ 6ブロック使用 レーティング CERO 全年齢対象 判定 良作 ポイント シリーズ初の最大8人対戦マイクは若干今ひとつな要素のまま マリオシリーズ関連作品リンク 概要 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 マリオパーティシリーズ7作目。 『6』に続きゲームキューブで発売された。 『6』と同じく、ソフトにはゲームキューブマイクが同梱する。 マイクはメモリーカードスロットBに挿して使用。ボタンを押しながら声を入れることで認識される。 使用できるキャラクターはミニクッパを除く、前作『6』で使用出来た10名に加え、隠しキャラとしてキャサリン・カロンを追加した12名。 ミニクッパはプレイヤーキャラからは降板となり、ボードマップのイベントやミニゲームに登場するようになった。 特徴 シリーズ初の最大8人対戦 最大のウリともいえる要素。今作では「1つのコントローラを2人で使用する」という斬新な方法により、最大8人までのプレイヤーが一緒に集まって対戦できるようになった。 最大8人と書かれているように、集まった人数が8人未満でもCOMが代わりになることで8人対戦の雰囲気を味わえるようになっている。極端な話プレイヤーが1人でも8人対戦ができる。 ボード上では2人1組になって進むことになる。これが最大4組となるため、体感的には通常の4人対戦とあまり変わらない感覚でプレイできる。 しかし、2人が別々のサイコロを一緒に叩く仕様のためサイコロの目は1~5に抑えられており、実際に進めるマスは必ず2マス以上となる。従って1マスだけ進むということはできない。 ボードの終わりに遊ぶミニゲームも、なんと8人専用のミニゲームが用意されている。「8人ツアー」という名前の専用モードでミニゲームのみの対戦もフリープレイも可能という力の入れよう。 今作のタッグマッチのルールもこの8人対戦の仕様に合わせられており、従来の1人1人がばらばらに行動するのではなく、2人で一緒に進むルールとなっている。 クッパタイム 1ターンごとにクッパの顔が赤くなっていき、5ターンになると完全に赤くなりクッパタイムが発生するという要素。 このクッパタイムではクッパが様々なアクシデントを引き起こしてプレイヤーやマップそのものに影響を与える。 頂上を目指して進む一本道のマップで橋を壊して通れなくしたり、複数の宝箱からスターを見つけるマップではキャラの持っているスターを強奪して宝箱に入れる…といった具合。プレイヤー全員が集まって集合写真を撮ることも。 この際の演出もなかなか凝っており、プレイヤーを飽きさせない。 なお、本作でこのような妨害をする理由としては、自分がツアーに招待にされていないために怒っているためである。 カプセルの仕組みは前作と変わらない。 本作独自の要素としてキャラ毎に性能が異なる「スペシャルカプセル」が導入された。大半はライバルのコインを奪う、通過系カプセルの効果を無効化出来るものが多い。 新カプセルの登場のほか、キャラや効果が変更されているものもある。 特に「どかんカプセル」は通過系カプセルに変更され、通過したキャラを元の場所に戻してしまう効果に変更されるという、状況によっては強力なカプセルとなった。 ゲームスタート時や、カプセルマスなどで「ミニクッパカプセル」が出ることもある。止まると、従来のクッパマスと同様な妨害イベントが発生する。これは自分で仕掛けることができず、全員が被害を受けるが上書きなどで消すことは可能。 以上の理由もあり、ドンキーマスやクッパマスは必ずミニゲームが発生する。 評価点 8人対戦の斬新さと完成度 「1つのコントローラを2人で使用する」という斬新で分かりやすい操作方法もさることながら、8人同時対戦が可能ということから大人数で楽しめるパーティゲームとしての箔がついた。 わざわざ8人用のミニゲームが別個で用意されているという点からしても、単なるおまけ程度の要素ではないことがわかる。 8人用ミニゲームそのものについても、8人全員が一斉に同じ土俵でぶつかり合って落としあう混戦を楽しめる「グラグラステージ」など出来は総じて良好。このジャンルには12種類のミニゲームがあるが、チームワークを必要とするものとチームの1人が生き残れば良いものにおよそ半分ずつに分かれている。 8人対戦は1人でもプレイ可能で、その場合7人がCOMとなる。出来がいいモードだけにプレイ人数を問わないのはありがたい点。 「サイコロを2つずつ振る仕様上4人対戦の時より期待値が大きく、先に進みやすい」「サイコロが揃うだけで5コインもらえ、8人対戦ミニゲームの報酬は20コインと多い」「持てるカプセルの上限が3→5に増える」また一部のハプニングマスではチーム限定パーフェクトでスターがもらえる点から4人よりも8人対戦の方がサイコロ、コイン両方の回転数が良い。 デュエルツアーで対人戦が可能 デュエルツアー自体は今作の一人用モードとしての役割がメインなのだが、今作ではCOM相手のそれと全く同じルールで対人戦が可能になった。 最大8人での賑やかな対戦だけではなく、ボードマップを用いて1VS1のタイマン勝負もできるようになったのは地味に大きい。 ルールも「100枚以上のコインを所持した状態で頂上に行く」「指定された数の風車を修理する」などと通常のボードマップとは異なったルールとなっている。 更に個性豊かになったステージ 頂上でコインと引き換えにスターを取る完全一本道の「ゴーゴーマウンテン」、複数の宝箱からスターを見つけ出す「キラキラシティ」など、前作に負けず劣らず個性的なステージが揃っている。 これに5ターン毎に発生するクッパタイムが追加されたため、各マップでの盛り上がりは前作以上である。 今作のボードマップはグラグラキングダムを除き、現実で実在する国がモチーフとなっているのも特徴。 「ボーナススター」の対象がランダム化 従来は対象が固定されていた「ボーナススター」だが、今作では赤マスに止まった回数による「レッドスター」など多くの対象が追加され、その中からランダムに3つが選出される方式となった。 元々最後の逆転要素として導入された要素であるため、これらのランダム化の意義はボーナススターを狙おうにも狙えないぐらいの初心者にとって大きい。 ツアーマイレージポイント ミニゲームやボードゲームなどをプレイするたびにポイントが貯まり、一定量のポイントと貯めたポイントを引き換えでゲーム内要素と交換できる、という前作の「スターバンク」に代わるシステム。 基本的にスターのみが対象だったスターバンクと違い、マイレージポイントではミニゲームを遊んでもたまる上、取得コイン数なども加算対象になっているため、単純に解禁までの手段が増えた。 初心者に対する配慮など ボードマップでコインがもらえるイベントが多く、ミニゲームでなかなか勝てない初心者でもコインが貯まり易いように調節されている。 本作では、仕掛けたマスに止まった相手のスター(ない場合はコイン)を奪う「あかテレサカプセル」が追加。強力な効果なので、下位プレイヤーでも逆転のチャンスが十分ある。 ミニゲームの評価も良好。多少運が絡むものもあるが基本的には実力勝負であり、理不尽なミニゲームはほぼ無い。 問題点 やはりミニゲーム数が豊富なせいか、少々アンバランスなゲームも複数ある。 + 一部問題のあるミニゲーム 4人用ミニゲーム「ぬけだせ!おばけやしき」は迷路のようなマップで出口を探すミニゲームだが、肝心のマップが固定であり、ルートを覚えているプレイヤーがほぼ確実に勝利してしまう。 1vs3ミニゲーム「くらやみおいかけっこ」は1人側が3人側を追いかけ全員ライトで照らすと1人側の勝利となるものだが、普通にプレイすると3人側がまず負けてしまう。マップにこれ見よがしにある石像は全く逃走の役に立たないことが問題。しかし中央にある橋を上手く使うことで今度は1人側が相手に追いつけなくなるという極端なバランスになってしまっている。 専用カプセル導入の弊害 今作ではキャラクターごとに「スペシャルカプセル」という個別の専用カプセルを使えるという要素が導入されたのだが、これによりパーティゲームでは異例となるキャラ性能の格差が発生してしまった。 中でも2ターン罠カプセル無効化+移動マス倍の効果を持つ「マジックカプセル」(テレサ、カロン専用)や、3ターンの間サイコロ2つの効果「トリプルキノコカプセル」(キノピオ、キノピコ専用)といった移動系の専用カプセルは汎用性に優れている点で特に強力。 特にマジックカプセルは、一本道であるゆえに必然的に罠カプセルの被害にあいやすい「ゴーゴーマウンテン」で非常に便利である。 移動系カプセルが特に強力とされる理由には、今作から「ランニングスター」(*1)という移動力が物を言うボーナススターが追加されたことも大きい。 その一方で、3ターン移動方向にいる相手から10コインを奪えるようになるという「ファイアカプセル」については、10コイン奪える利点以上に3ターンの間他の移動系カプセルを使えなくなるという欠点の方が目立ち、どうにも使いづらいとされる。 さらに、他のプレイヤーからルーレットで決められた数のコインを奪う「バキュームカプセル」(ワリオ・ワルイージ専用)が移動系とは関係のないカプセルとなっており、やや不利に。 それでいて複数人が同じキャラを選ぶことは不可能という従来の仕様のままであるため、実際に複数プレイヤーが集まると有利なカプセルを使えるテレサやキノピオといったキャラクターの奪い合いになってしまうことも… このようなメインのボードマップでキャラクター間に差が生まれるシステムは2018年の『スーパーマリオパーティ』の発売まではマリオパーティシリーズで唯一のものであった。 進行テンポが悪化 COMの行動スキップ可能など基本的なシステムは『6』と同様なのだが、今作にはこれにクッパタイムが加わったことで、単純にボード攻略にかかる時間が増えている。 クッパタイムで行われる演出は上記の通りかなり力が入っているのだが、それゆえか結構長く、長時間のプレイだとストレス要因になりえる。 1ターンごとのミニゲームにしても「はこんでバッテリー」や「ヘンテコマシーン」などを筆頭に1分近くかかる長めのものが大幅に増えており、全体としては『6』よりかなり長期戦になりがちである。 こうしたこともあってか、今作のターン数のデフォルト設定は20ターンではなく15ターンになっている。 なお、タッグマッチはチームで行動する仕様のため、2チームタッグマッチは進行ペースが若干早い。 「デュエルモード」の対人戦バランスが悪い。 簡単に言うと、先攻が非常に有利。先攻である事のデメリットが一切生じない為、結果的に1ターン分のアドバンテージが何の制約も無く得られてしまう。 「いつものマリオパーティでも同じ事が言えるのでは?」と思うかもしれないが、本モードのルールでは勝手が違ってくる。 このモードはパーティモードと異なり「決着は10ターンと経たずに決まる」「ターン制では無く先に特定の条件を満たした方が勝ち」「プレイヤーが2人しかおらず、ハッキリと差が生まれる」という特徴がある。この為、通常のモードでは問題にならなかった「1ターン先に動ける」という恩恵が無視できない物となり、よほど実力差が無ければ、殆どのマップで先攻が勝ってしまいやすい。 まとまったコインの収入を得るチャンスが時間の進行ではなくプレイヤーの進行による「コインブロック」から来る点も大きいと思われる。 ルール自体は非常にユニークな為、この点は悔やまれる部分でもある。 とあるクッパミニゲームが不親切 デュエルツアーでプレイすることになるクッパミニゲームは一切練習することができず、ぶっつけ本番でプレイするしかない。一方フリープレイモードでは、全く意味がないのに練習可能、という意味不明な状態になっている(*2)。 そのミニゲームのルール説明が大雑把で説明になっていない。一応、アドバイスでヒントがあり、何をするのか大体わかるのだが。 ミニゲーム自体もやや難しく運も絡む内容となっている。さらに、デュエルツアーでは前のプレイヤーがやられたところから再スタートとなるため、COMプレイヤーにクリアさせられて敗北する可能性もある。 従来のタッグマッチルールを選べない 今作のタッグマッチは上記の通りだが、『6』以前のルールである、1人1人が独立して動けるタッグマッチ方式を今作では選べない。 このルールでは、片方はスター獲得を狙いもう片方がカプセルなどでプレイヤーの妨害に動くといった役割分担が可能で、戦略性という点でとても人気のあるルールだったため、今作で選べないのはやはり残念である。 特徴の点にもあるが、2人が出した出目が合わさる関係で1マスだけ進むこともできない。 決闘の仕様変更と極端すぎるデュエルミニゲーム 従来のようにコインやスターを賭けて挑む方式ではなく、デュエルミニゲームの勝者が「横取りルーレット」という名目でスターやコインをランダムに奪うという方式に変更された。一見すると従来作でいうチャンスミニゲームのようであり、初心者への逆転要素が増えていると思われるのだが… 今作のデュエルミニゲームは全て技術介入の余地がある実力系であり、運次第で誰でも勝てる完全な運ゲーが無い。(*3)従って上級者の方が圧倒的に横取りしやすいのである。 ミニゲームの偏りについては『5』で運ゲーばかりという点で問題になったのだが、だからといって今作のように実力系ばかりというのも、初心者に優しくないという意味で当然問題である。 ミニゲームに勝ったとしても、その横取りルーレット自体にハズレがある。負けた下位のプレイヤーヘの救済と考えれば納得はいくが、勝っても何ももらえないのは残念というしかない。なおこれが決まると、負けたプレイヤーが喜ぶ演出が追加される。 前作に続くマイク要素のプッシュ 今作ではボード上に点在する「マイクマス」という要素が追加されたが、お世辞にも評判が良い要素とは言えない。 マイクマスに止まるとコインを賭けてミニゲームに挑戦するイベントが発生する。成功すれば賭けたコインを2倍にできる、失敗すれば没収される。 しかし「マイクを使わない」の設定にしていた場合はマイクマスに止まっても何も起こらない。しかも何も起こらない場合にキャラクターが声付きで残念がるリアクションをとることもあってか、単純に興が削がれてしまうだけの要素になってしまう。 「マイクを使う」「コントローラーを使う」の設定ならばマイクマスのイベントをプレイできるのだが、今度はコントローラとマイクの難易度に差があるという別の問題がある。 マイクマスで行われるのは、3~5種類のカードに書かれた絵柄を覚えて指定されたものを当てるというゲーム。マイクだとちゃんと答えても誤反応によって失敗になる可能性がある理不尽なゲームであるのに対し、コントローラだとコマンドから選ぶ方式のためどんな選択肢があるのか分かる上に誤反応もないので安定して回答できる。明らかにコントローラーでプレイした方が成功率が高い。 旧作で出来た「全員COM」が何故か出来なくなってしまった これまでのマリオパーティではプレイヤーの操作キャラ以外…どころか、場合によっては全員COMにしてしまうことで半自動的にスターやミニゲームを稼がせることが出来たのだが、今作では何故か「キャラの操作切り替え画面でどこかにプレイヤーキャラが居ないとパーティ画面に戻れない」仕様(*4)にされてしまい、これまでのように全員COM任せにしてパーティモードを見物することが出来なくなってしまった。 ちなみにプレイヤーとCOMがセットのチームを組んだ場合、毎ターン必ずプレイヤーが操作するキャラが先頭に立つ仕様になっており、強力なCOMを味方にして4人用ミニゲームを任せようと思っても自分が必ず参加させられる羽目に(*5)。 総評 根本のシステム自体は『6』の時点で十分に完成されたものをベースにしており、今作もまた安定感のある続編に仕上がっている。 その上で今作で導入された8人対戦には今までの4人対戦にはない独特な面白さがあり、たとえ1人だけでプレイしても新鮮な楽しさを味わえる点は見事である。 他にもボーナススターの対象がランダムになって逆転要素が増大するなど、既存システムの改善点も多い。 しかしながら、演出面に力を入れた結果起こったテンポの悪化やシステム要素の推し方など、『8』に繋がる問題点の兆候が見え隠れしているのもまた事実で、 これまで安定していたシリーズ展開の暗雲を予感させる部分が見えてしまった作品とも言える。 余談 ミニゲームの収録数は本編シリーズとして最多数の88種類であり、本編シリーズではいまだに破られていない数である。 重複を含む場合だと『マリオパーティDS』がシリーズ最多、過去作の再録を含む場合は『マリオパーティ100 ミニゲームコレクション』がシリーズ最多になる。 キャラ格差を問題点としてあげているが、過去作にも一部のミニゲームでキャラ性能差は存在していた。『6』の「ワンワンレース」などが該当する。 ただし、発売から10年以上経ってからTASの検証で発覚したレベルであり、通常プレイではまず気が付かない。 初代から登場していた、シリーズのお馴染みのキャラクターである「ミニクッパ」は本作を境に急に登場しなくなる。 『DS』以降はクッパの一人息子である「クッパJr.」が登場しており、従来のミニクッパのポジションはそちらに引き継がれた感がある。 過去作のミニゲームとガイド紹介が収録された『マリパ100』でも存在について唯一触れられておらず、ミニクッパが登場していたミニゲームはクッパJr.に差し替えられている。 次回作『マリオパーティ8』はハードがWiiへと移った。 歴代シリーズのミニゲームを収録した『マリオパーティ100 ミニゲームコレクション』には本作のミニゲームが12種類収録されている。マイクミニゲームは本体のマイクに息を吹きかける(Rボタンで代用可)仕様に変更されている。 据置機のマリオパーティ12作目であるNintendo Switchソフト『マリオパーティ スーパースターズ』には、本作のミニゲームが6種類収録されている。
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peakvox ミュウミュウトレイン 【ぴーくぼっくす みゅうみゅうとれいん】 ジャンル ラン ジャンプアクション 対応機種 ニンテンドー3DS(ダウンロード専用) 発売元 ファンユニット 開発元 オーツー 配信開始日 2013年1月30日 価格 514円 プレイ人数 1人 セーブデータ 1箇所 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント スケボーにゃんこがゴールにまっしぐらレース風味のスピードアクション猫達と共に走るMiiの姿がシュール 概要 特徴 主なルール 評価点 問題点 総評 概要 主に携帯機で定期的にリリースされているダウンロードソフト『peakvoxシリーズ』の内の一角にあたる作品。ジャンル的には横スクロールアクションゲームに該当する。 スケボー乗りの猫であるオーリーを操作し、兄弟猫と一緒に並走しながらゴールを目指すというスト-リー設定。 オートセーブ方式。 特徴 スピード感を重視したレース風アクションゲーム。 本作のゲーム性は「いかに早くゴールへとたどり着けるか」という、レースゲーム的な要因がかなり強い内容となっている。 ステージ構造の長さやプレイヤーの腕前にもよるが、各ステージの大方のクリアタイムは1分前後が相場となる。 「オーリーは常にダッシュ移動」「速くクリアさせる目的で配置された仕掛けの数々」「最速クリアで多くのコインボーナスが貰える」と、明らかに疾走性を重視した作風である。 有名どころで例えるならば『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』並のスピード感を持った作品であり、少なくとも「じっくりと進みながら攻略する」類の内容でないのは間違いないと思われる。 従来のアクションゲームに比べるとスクロール速度が高い故に、突発的な落とし穴ミスに遭遇しやすい面もあり、決して「走っているだけで完走できるヌルゲー」という難易度でもない。 主なルール プレイヤーキャラ選択について。 プレイヤーキャラはオーリーの他にもMiiを使用する事ができる。 Mii使用の場合、さらに様々なコスプレを選択ができる。各キャラ・及びコスプレのどれを選択しても性能差などの変化はない。 ゲーム初期時はMiiやコスプレの選択はできないが、特定条件を満たせば選択の解禁がなされていく。 ゲーム内の項目にはパスコード入力欄があり、これにとあるパスコードを入力する事でオリジナルコスプレが入手できる。パスコードは同社のキャンペーン企画内で掲載されている。 ゲームの流れ。 オーリー・もしくはMii(以下 自機)を操作し、各ステージの右方向先にあるゴール地点に到着するのがステージクリア目的となる。 オーリーが落とし穴に落ちるとミスとなり、同じステージの最初に戻されてしまう。なお、本作には残機という概念がなく、ミス後はエンドレスでやり直しとなる。 先に進むと右方向へとスクロールするが、スクロールの後戻りは一切できない。よって、前の地点に戻っての仕切りなおしは効かない仕様となる。 落とし穴にさえ落ちなければ必ずステージクリアとなるが、速いタイムでクリアすれば様々な特典が受けられる。 クリアタイムが速いと各ステージ毎に「コイン」が最大3枚取得できる。コイン収集は隠し要素の多くに関わっており、これをすべて集める事こそが本作最大の目標といえる。 本作はステージセレクト制を採用しており、各ステージから好きなものを選択できる。全30ステージ構成(3ワールド × 10ステージ)。 ゲーム初期時は選択ステージが限られるが、それをクリアすれば先のステージも選択もできる様になる。但し、とあるステージは特定条件を満たさないと一向に選択はできない。 操作系統。 自機の主な操作は以下の通り。 十字ボタン(スライドパッド)左右でダッシュ移動。自機は常に右向き状態であり、歩き移動は行えない。 Aボタンでジャンプ動作。2回連続で押すと二段ジャンプも可能。ボタンの押す長さによってジャンプ力が変わり、ジャンプ中の移動制御も可能。 兄弟猫・登場アイテム・敵及び仕掛けについて。 ステージ内には兄弟猫など、以下のものが登場する。 + 兄弟猫・アイテム・敵及び仕掛け一覧 「兄弟猫」 至るところにオーリーの兄弟猫がおり、これらに自機が触れると一緒に連れて行ける。猫は最大で12匹まで連れて行く事が可能。 猫を多く連れて行く程に自機の移動スピードが増していく。最速クリアを目指したければ"できるだけ"彼らを多く連れていく必要がある。 「キャットフード」「キャットリング」 アイテムである「キャットフード」を取得すると、スコアボーナスと共に「フードメータ」が回復する。 フードメータは時間経過で徐々に減ってくる。これが減少すると引き連れている兄弟猫が消えてしまうペナルティとなる為、定期的なキャットフード補給は必要不可欠となる。 稀に配置されている「キャットリング」に触れると、周辺に大量のキャットフードが降ってくるボーナス。 敵・仕掛け系。 「コロ犬」「トゲの床」…これらに自機が触れると、移動スピード停止に加え引き連れている兄弟猫が1匹消えてしまうペナルティ。 「ゴミ箱」「石」…これに自機がぶつかってしまうと、タイムが1秒加算されてしまうペナルティ。但し、上から踏みつけるとスコアボーナス(ペナルティなし)。 「ダッシュパネル」…自機がこれに触れると、一時的に猛ダッシュができる。 「重力スイッチ」…自機が触れる度に、重力が上下反対となる(着地できる地形が上位置 ⇔ 下位置と変化)。 「落ちる床」…自機が床を踏むと、すぐに落ちてしまう(再生不能)。 「落とし穴」…自機が落とし穴に落ちてしまうとミス。本作唯一のミス条件でもある。 ゴーストについて。 各ステージをクリアした後、再度同じステージをプレイすると、以前プレイした自機の「ゴースト表示」がなされる。 ゴーストはそのステージにおけるベストクリアタイム上位5位分までの表示が可能。これを利用すれば、今のプレイがどれ程の状況なのかが分かりやすくなる。 ゴースト表示はすれちがい通信やいつの間に通信にも対応している。 評価点 走るにゃんこの疾走劇。 オーリーを筆頭とする猫が、画面内に走り回る姿がとにかく可愛い。 スケボーで走るオーリーだが、彼は擬人化ではない四足立ちの猫である。公式曰く彼がスケボーで走る理由は「肉球汚れるのが嫌だから」らしい。 「にゃ~」と鳴きながら、最大12匹までのオーリーの兄弟猫達が画面狭しと行列しながら走る様が、非常にカオスでありつつも超可愛い。 兄弟猫に触れるとオーリーがドヤ顔で微笑みながらサムズアップ(*1)をする演出がある。「猫がそんな器用に指を立てられるのか」という疑問もあるが、そもそもこれはゲームであるし、可愛いから気にしてはいけないのだろう。 和むグラフィック・BGM周り。 猫だらけの世界観だけあって、ほんわかしたタッチのグラフィックと、癒しとスピード感が調和したBGM一色となっている。 落とし穴ミス時の「☆ジャン☆ にゃ~ん」(*2)という効果音が妙に印象的。ムカムカしいけど可愛い。 問題点 ボリュームはやや控えめ。 1分前後でクリアできるステージが30つしかなく、500円相当とはいえ若干のボリューム不足感は覚えてしまう。 容量的な問題なのか、各ステージの仕掛けによるバリエーションが豊富ではなく、先ステージに進んでもあまり新鮮味が感じられないのも物足りなさに拍車をかけている。 また、オールクリアしてもこれといったエンディングも全くなく、すぐにステージセレクト画面へと戻ってしまう。 とはいえ、「全ステージをコイン3枚入手(フルコンプ)クリア」を目指すとなると、プレイ時間はその数倍になると思われる為、やり込み前提のプレイならば十分に楽しめるだろう。 可愛いオーリーに反して、Miiのプレイヤーキャラがあんまり可愛くない。 兄弟猫達と一緒にリアル顔・二足立ちで走るMiiの姿が場違い感満載でシュールである。Miiの顔設定やコスプレによっては、シュール色がより増していく有様である。 総評 クリアまでの道のりが少々素っ気ない面はあるものの、「猫いっぱいのソニック風アクションゲーム」としてみれば楽しめるゲームだと思われる。
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Goat Simulator 3 【ごーとしみゅれーたーすりー】 ジャンル シミュレーション/アドベンチャー 対応機種 プレイステーション5Xbox Series X/SWindows(Epic Games Store) 発売元 DL版 Coffee Stain Publishing ABPKG版 Koch media 開発元 Coffee Stain North AB 発売日 2022年11月17日 定価 Standard Edition 3,850円(税込)Deluxe Edition 4,950円(税込) プレイ人数 1~4人 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 バカゲー ポイント 話題になったヤギゲーの続編何故か『2』を飛ばして『3』オンラインマルチプレイにも対応 Goat Simulatorシリーズ1 / 3 概要 特徴 おバカな点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 日本でも話題となった2014年に発売されたおバカシミュレーター『Goat Simulator』のまさかの続編。 本作は『Goat Simulator』の2作目であるが、ナンバリングは何故か『2』ではなく『3』となっている。 特徴 本作のマップは「サン・アンゴラ島」という島を舞台としたオープンワールドとなっている。 前作から追加されたアクション・要素。 アクションに「グラインド」が追加。電線などを伝って滑走することができる。 その他、街中を走っている車両を奪い取って運転することも可能。 最大4人までのオンラインマルチプレイにも対応。 おバカな点 前作でも多々見られたパロディネタは本作においても健在。 ゲームを開始すると流れるオープニングは、どう見ても『The Elder Scrolls V Skyrim』のオープニングそのもの。 というかゲーム内でもオープニングの終わりに「さっさとスカ〇リムカートを出てゴートタワーに向かえ」という台詞が出る始末。 この他にも、スカイリムのパロディネタは多い。 とあるエリアでは『Wolfenstein 3D』のようなグラフィックのマップになったり、静かな丘なるホラーエリアがあったりする。 ゲーム関係以外のパロディネタも多い。建物の看板に赤色の四角に白文字で WONDER (*1)といった映画の看板があったり、コスコンで某ヒーローが持っている金属で作られた円形の盾(投げて攻撃することが可能)が手に入ったり、と様々なネタが仕込まれている。 とはいえ、海外産ゲーム故に洋ゲー・海外作品のパロディネタが多く、一部日本人に馴染みの無いものもあるが。 上記のパロディネタを抜きにしても、おバカな点は多い。 特にクエストの攻略方法は奇想天外な手段を強いられることが多く、思わず笑ってしまうものも多い。 クエストの結末も予想外の出来事が起こったり、逆に予想通りの大混乱を引き起こしたりと、おバカな内容だらけである。 + 例えば…(攻略上のネタバレ注意) 山でビッグフットを探して捕まえるクエストがあるが、普通に探しても見つからない。 それもそのはず、このイベントで捕まえるべきビッグフットとは、UMAではなく、文字通り足が物凄くデカい人間を連れてくること。確かにビッグフットだが……。 「スティーブを救え」というクエストでは、「溺れているスティーブを助けてあげよう!」とのことだが、温泉で溺れている男性を助けてもクリアにならない。 よく見てみるとこの男性の名前は「ノット・スティーブ」、つまりスティーブではない。そこで、近くに浮かんでいる魚を捕まえてみると、その魚の名前がスティーブであり、そちらを助け出すことでクリアとなる。魚なのに溺れるのか……。 「押すな、危険」というクエストでは、施設のボタンを押すと空から爆弾が降ってくる。 落ちてきた爆弾を触ると、案の定大爆発。そして「あやうくキム・ジョンウ〇」という一文と共に、Falloutの服が手に入るという結構危ないネタもある。 よく日本でリリースできたものである。 評価点 各段に広くなったオープンワールドマップ。 前作ではオープンワールドと言うには狭めだったマップだが、本作の舞台である「サン・アンゴラ島」はオープンワールドと呼ぶのに相応しい広さのマップとなっている。 ゲーム開始時にそれなりのロード時間は入るものの、マップ間でのロードを挟むことなく、シームレスに移行する。 ただし、その分要求スペックが増えたのか、CS機ではPS5とXSXのみと、高スペックゲーム機でしかリリースされていない。 豊富なクエストの数々。 本作には「クエスト」と「衝動的ミッション」の二つの指標があり、それらをこなしていくことが主な目的となる。 オープンワールドのマップには様々なクエストが配置されており、そのクエストの攻略方法もパズルのように頭を捻るものも多く、やりごたえがある。 多少改善された日本語ローカライズ。 前作の日本語訳は、直訳気味かつ奇妙で意味が伝わりづらい表現も多々見られたが、本作では内容が十分理解できるレベルまで翻訳の質が向上している。 前述したパロディネタもちゃんと翻訳されており、日本人にも元ネタがわかりやすくなっている。 便利になった点。 装備品には移動に便利なものが増えている。中でもパラグライダー(ハングライダー)は空中を滑空することができるため、オープンワールドのマップを移動する際に重宝する。 車を奪い取って運転することができるようになったため、遠距離へ移動する際も地味に便利になっている。 昨今のオープンワールドゲームにはマストな機能である、ファストトラベル機能も搭載。ゴートタワー限定だが、テレポートすることができる。 賛否両論点 相変わらずバグが多い。 壁を突き抜けて入れないところに入れたり、キャラクターのモデルが荒ぶったりと、前作に引き続きバグが多く発生する。 とはいえ、前作の時点でバグっぽい挙動を楽しむゲームでもあるので、ある意味「『Goat Simulator』らしさ」が出ているとも言えなくもないが。 一応、ヤギがはしごを登る際のモーションがまともになっていたりと、修正されている部分もある。 問題点 前作同様、明確なストーリーが無い。 前作と同じ問題点。オープンワールドゲームとしての規模は大きくなった本作だが、前作と同じく明確なストーリーがないため、プレイヤーによっては何をしたらよいのか迷ってしまう。 尤も、「サブクエストなどの寄り道をしないと楽しめない」というのは、オープンワールドゲーム全般に言えることでもあるが。 一応、今作ではエンディング・ラスボスが用意されているものの、道中には全く関わってこないため、ラスボス戦まではプレイヤーの好奇心に頼らざるを得ない。 プレイスタイルによっては酔いやすい。 前作同様、本作も物理演算ゲーとしての側面があるのだが、操作キャラが壁にめり込んだり、空中を激しく飛んだりして、カメラが荒ぶったりすることもあるため、遊んでいるうちに3D酔いを引き起こす恐れもある。 総評 物理演算による独特な挙動・数多のパロディネタ・バグっぽい動作など、あの『Goat Simulator』の続編と呼ぶのに相応しい内容となっている。 その『Goat Simulator』らしさが残る一方で、美麗になったグラフィックや、意図的に仕込まれたバカ要素など、ゲームとしてのクオリティは前作と比べて格段に向上している。 そのため、前作が「いい加減に作られたバカゲー」と呼ぶなら、本作は「計算して作られたバカゲー」と呼ぶべきだろう。 オンラインマルチプレイに対応していることもあり、友人などと複数人で遊べば一層本作を楽しむことができるため、ふざけたバカゲーを遊びたいという方なら購入を検討してみてはいかがだろうか。 余談 2023年1月26日にはPS5にてパッケージ版、及び特典の付いた「GOAT IN A BOXエディション」も発売された。 ナンバリング『3』について。 概要にも書いた通り、本作は2作目であるのにも拘わらず、何故か『3』とナンバリングが付けられている。 これについてPlayStation.Blogにおいて開発スタッフたちの意見が載っているが、理由がバラバラどころか、ふざけた回答だらけである。ある意味『Goat Simulator』らしいとも言えるが。 + PlayStation.Blogの記事より引用 「ボックスアートに3匹のヤギがいるから」 – Rasmus Björk、コミュニティーマネージャー&シネマトグラファー「へ? 『Goat Simulator 2』ってまだ作ってなかったの?」 – Olivia Follin、プログラマー「前作からかなり時間が経っていて、タイトル名を『Goat Simulator 2』にしても、実装したシミュレーション技術の進化すべてを伝えきれないので」 – Sebastian Zethraeus、ゲームプロデューサー「続編が好きな人っていないし」 – Driton Gashi、デザイナー「メェェェェェェ」 – ピルゴール「理由はありました…。でも忘れちゃいました」 – Philip Bretschneider、3Dアーティスト「パブリッシングチームの誰かがそう言いだしたんだけど、だれも正さなかったみたいですね」 – Judith Radnitz、ゲームプロデューサー「『ゴッド・オブ・ウォーラグナロク』って名前はもう取られていたから」 – Santiago Ferrero、クリエイティブディレクター「まあ『Goat Sim 4』って呼んだらおかしいからね」 – William Birgersson、アートディレクター&レベルデザイナー「ただの打ち間違いでしょ」 – Helena Lindström、コミュニティーマネージャー「数字だ、メイソン。どういう意味なんだ?」 – Stuart Docherty、サウンドデザイナー「上述以外」 – CEO Sebastian Eriksson「ピルゴールは、ゴードンがやらないことをする」 – Joar Hedvall、プログラマー
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ウルトラマン 怪獣帝国の逆襲 【うるとらまん かいじゅうていこくのぎゃくしゅう】 ジャンル アクション・シューティング 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 バンダイ 発売日()は書換開始日 1987年1月29日(1987年3月26日) プレイ人数 1人 定価 3,300円 判定 良作 ポイント ウルトラマン初のゲームウルトラマン、怪獣とも高い再現度ハヤタ・ウルトラマンとも見せ場が多いやたらと非力なダン&ウルトラセブン(セブンファン文句ブーブー) ウルトラマンシリーズ 概要 ストーリー 内容 登場キャラ 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 概要 円谷プロによって1966(昭和41)年に生み出された日本の特撮を代表する巨大ヒーロー『ウルトラマン』初のゲーム化作品。 横ベルトスクロールのステージクリア型アクションゲーム。 ステージ開始時はハヤタから始まり、エネルギーを集めてウルトラマンに変身して巨大な怪獣と戦う。 本作のクレジットは「BANDAI 1986」となっており、ウルトラマン生誕20周年を狙って制作されたものだが、結果として1986年内の発売は叶わなかったようだ。 ストーリー あの数々の激闘を終えたウルトラマンは今、故郷のM78星雲に帰っていた。 そして時は流れ現代、かつてウルトラマンに倒された怪獣たちが全宇宙の星々で蘇り、ゼットンに率いられ怪獣帝国を築き上げ、今ここに全宇宙征服を企む怪獣帝国の進撃が始まった。 先に飛び立ったウルトラマンジャック(*1)、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウはことごとく罠にはまり捕らえられた。 それを知ったウルトラマンは兄弟たちを助け出すべくM78星雲を後にし、再び地球へ向かいハヤタと融合。新たな戦いに出るのであった。 内容 ステージはハヤタ(海や空ならハヤタの乗る「S21号」「ビートル」)から始まり、エネルギー球を集める。 変身前は一発被弾で即死。ハヤタ単身なら左右移動とジャンプ、「S21号」「ビートル」なら上下左右に移動できる。敵に対してはビームガン系の武器で戦い、隠されている科特隊マークを取るとスパイダーショット(連射弾)とマルス133(威力が高く敵を貫通する)が使えるようになる(*2)。 エネルギー球の集め方はそれを牽引している敵を倒したり、倒した敵がランダムで落としたり、敵は落とさないが特定の部分を撃つことで出現したりとステージごとに異なる。 満タンになると、ウルトラマンに変身できるようになり、ライフ+ダメージ制になる。 ただし、原作同様に3分間の時間制限が発生し、時間切れで死んでしまうし、穴に落ちても即死。 変身後はチョップとキックといった肉弾戦とバリアで戦い、残り時間が1分を切るとカラータイマーが鳴り出し同時に「スペシウム光線」「八つ裂き光輪」が使えるようになる。 各ステージにボスとして大型怪獣が1~3体おり、それを倒すと次に進める。 ラストステージ(ゼットン戦)ではハナからエネルギーは満タンですぐ変身できるが、最初にハヤタで頭にペンシル爆弾を当てないとゼットンにダメージを与えられない。しかもこのステージでハヤタはペンシル爆弾を1発しか撃てない。 外したり撃たないうちに変身したりすると詰みなので自殺してやり直すしかない。残機がなければゲームオーバー確定。 しかもゼットンに攻撃が通るのは胸のみでジャンプしないと攻撃が届かない。これはスペシウム光線と八つ裂き光輪も同じ。 登場キャラ ウルトラ兄弟 ウルトラマン ウルトラセブン ウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン) ウルトラマンエース ウルトラマンタロウ ジャック、エース、タロウの3人はあるステージでボスを倒すと姿を現すだけで操作は出来ない。 怪獣(大型) ガボラ テレスドン ゴモラ ペスター レッドキング ジェロニモン シーボーズ ザンボラー アントラー チャンドラー ドラコ ニセウルトラマン(*3) ザラブ星人 キーラ バルタン星人 ゼットン 評価点 キャラゲーとしての出来が良く原作再現度もなかなか高い。 ハヤタ、ウルトラマンともに活躍でき、またその棲み分けも出来ている。 ウルトラマンの代名詞「スペシウム光線」「八つ裂き光輪」が使えるのだが、それは1分を切って「ピコーンピコーン」と鳴りだしてから。 自ずとTV放送での展開に準えた形になっている。 BGMもタイトルからウルトラマン変身中まで、しっかりテレビ放送時のものが再現されている。 ただし、書き換え版では一部オリジナル曲に差し替えられている。 怪獣にしても、まず飛行スタイルで戦い、倒すと陸上戦で戦うバルタン星人、ニセウルトラマンを倒すと正体を現して引き続き戦闘になるザラブ星人など、ちゃんと特徴を生かしてゲームに落とし込めている。 ウルトラマンにしても怪獣にしても高頭身で、よく描けている。 しかも、動きも滑らかで操作性も良い。 特にラスボスのゼットンのグラフィックはファン必見と言えるほどリアルだった。 変化のある展開。 変身前の状態では陸のようにジャンプを織り交ぜたアクションが中心ながら、海や空のようにシューティングに近いものになるなど、そんなステージが入り組んでいる。 上述の通り、エネルギー球の出し方も異なるので単調さが無い。 またステージ5のように、のっけから大型怪獣のシーボーズが走り回っているパターンもある。 「ひとまず今はやりすごす」という発想ができなければ必死に倒そうとしても倒せず苦汁を味わうことになるが、その発想ができれば先に進んでザンボラーを倒し、クリアにならないことでシーボーズを思い出し倒しに戻る…という攻略法は見いだせる。 適切な難易度。 当時はまだ「容量的な足りなさ」から高難度な傾向にあったが、本作の難易度はそこまで極端なものではなく、比較的広い年齢層がクリアの達成感を得やすい。1ステージごとにセーブできコンティニューも無限にできる。 ウルトラセブンに交代する2周目は、ヌルいと思った人にとってはやりごたえ充分。 一通りクリアすると2周目はキャラがウルトラセブン(モロボシダン)になり、敵の耐久力が2倍になるのでグンと難しくなる。 それが如実に現れるのがザコ敵で、ハヤタでは1発で倒せていたザコ敵でも2発当てなければならないのが効いて非常に難しくなる。 ザコ敵でも2発当てなければならないのは水中又は空中のウルトラセブンでも同じなのだが、マルス133だと1発で倒せてしまうという矛盾点も出てくる。 賛否両論点 相対的にボスにあたる巨大怪獣系が弱く感じる。 ザコ敵はわりと素早いのがいるのに対し、大型怪獣は鈍いのもいる。 大型怪獣と戦う場合はライフ制のウルトラマンなので喰らいながらゴリ押すことも可能。片や変身前は一発即死。 「スペシウム光線」などを使わなくてもチョップ連打で案外ゴリ押せてしまう。 ウラを返せばこれはウルトラマンが強いというイメージにもつながっている。ただスペシウム光線を撃つまでもなくチョップやキックだけで倒せるのはイマイチ盛り上がりに欠けるかも…(*4) 問題点 全体的な再現度は高いがゲームとしてバランスを取った分、少々原作を壊している部分がある。 カラータイマーを取ると1分延長になるのだが、これでは4分戦えてしまう。 ウルトラマンの3分は象徴的なものなので、これを壊してしまうのは特に大問題ではないだろうか。 ゼットンがでかすぎること。 実際でかいとは言えウルトラマンの40mに対してゼットンは60mなので1.5倍程度だがゲームでは3倍ほどもある(ウルトラマンの40mと相対的に計れば120mクラスになる)。 シューティングステージではウルトラマンが相対的に弱く感じられる。 飛行状態のウルトラマンはビームを撃つのだが、「S21号」や「ビートル」が撃っていたのと威力が変わらない。 ゲームでは同じ大きさだが、ハヤタが手で持つビームガンを思えば「S21号」や「ビートル」のそれは大きいはずなのでそう考えれば違和感はないのだが、それでもウルトラマンだからもっと強くあってほしいところ。 時々敵怪獣の攻撃が多段ヒットして理不尽な大ダメージを受けてしまうことがある。 よく発生するのが10面のバルタン星人の飛行形態と戦っているときで、満タンから一気に6~8目盛りくらい減ってしまう。 上記の通り2周目は難易度が爆上がりになるのだが、相対的にウルトラセブンが極端に弱く見えてしまう。 特にドラコ戦はシューティングステージでお互い飛んでおり、肉弾戦が出来ないので飛び回る相手にチマチマとビームや必殺技を当てねばならず、かなり上手くやらないと火力不足でタイムアップになりかねない。 もちろんこれもセブンやダンが弱いのではなく敵が強いと考えるべきなのだが。 総評 約1メガ弱という限られた容量の中で、キャラゲーとしての再現度も高く難易度もやたら高すぎもせずかといって簡単すぎることもなく適切な難易度と均整の取れたゲーム性。 高難度な部分は割と変身前の部分に集約し、ウルトラマンのパートは純粋に強さを堪能すると言った作りになっているのも強さの象徴的なウルトラマンのイメージを壊さないものであり、キャラゲーとしてもなかなかの仕上り。 ゲーム化する上で、原作の設定を守り切れていない点は少々あり派手さに欠ける部分はあれども、国民的ヒーローであるウルトラマンのゲームデビュー作として充分恥ずかしくないものになった。 その後の展開 同年末の12月18日に続編の『ウルトラマン2 出撃科特隊』が発売。 1988年10月22日にはSDウルトラマンとして初の『ウルトラマン倶楽部 地球奪還作戦』が発売。真新しいシステムを導入したRPG。 ただ、これは同年後期最大の話題作『スーパーマリオブラザーズ3』が発売の1日前とまともに被った影響のせいで売上は今一つだった。 25周年となる1991年にはスーパーファミコンソフトで『ウルトラマン』が発売。 その後もさすがは日本の象徴的ヒーローということもあって、様々なハードでSDも含め多くの作品が、主にバンダイから発売された。 またバンダイ系ハード『てれびっこ(*5)』『プレイディア』『ピピアットマーク』ではもれなく発売されている。これらはソフト自体が少ないのでウルトラマンの占有率が必然的に高い。 余談 ファミコン通信1987年7号「禁断の秘儀」で「巨大なウルトラマン出現だ!」という裏技が紹介された。 段差を降りるときや、ゼットン戦でハヤタとして落ちてくる時にスタートを押しっぱなしにしているとこうなるのだが、大きいと言うより胴体と足が切り離されているようにしか見えない。 ゼットン戦でやると最初のペンシル爆弾を当てられないので詰みになる。 ゼットンを倒したとき頭が爆発して消えてから体が爆発して消えるという演出があるのだが、体が爆発しているときに攻撃するとその度に演出が最初からになり(頭は消えたままだが、頭があった所から爆発しなおす形)消えずにいつまでも爆発し続け時間切れまで叩き続けられる。全く意味はないが。 ハヤタ状態の難易度の高さを考慮してか、簡単なコマンドで無敵になれる裏技がある。 あくまで無敵状態なのはハヤタの時のみであり、ウルトラマンに変身すると効果は切れる。また、最終面のゼットンの攻撃のみ無敵状態でも即死する。
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オンラインサービスは2018年3月28日をもって終了したため、現在は全てのオンライン機能が使用不可能です。オフラインでのプレイは現在でも可能です。 グランツーリスモ6 【ぐらんつーりすもしっくす】 ジャンル オンラインカーライフシミュレーター 対応機種 プレイステーション3 発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント 開発元 Polyphony Digital 発売日 2013年12月5日 定価 通常版 6,648円ダウンロード版 6,195円15周年アニバーサリーボックス 7,600円PS3本体同梱版 24,743円 プレイ人数 1,2人(オンラインプレイ時最大16人) レーティング CERO A (全年齢対象) 判定 良作 ポイント 15周年を迎えたグランツーリスモシリーズの集大成シリーズ最多の1200台以上の車種を収録粗が多かった前作から順当に進化シリーズの中でもトップクラスの攻略テンポの良さ月面と月の重力を再現したコースを収録 グランツーリスモシリーズ SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 特徴・評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 ドライビングシミュレーターの金字塔『グランツーリスモ』シリーズのナンバリングタイトル第6作目。 シリーズ最多の1200台以上の車種と40ロケーション・107レイアウトのコースが収録された他、粗が多かった前作から様々な要素が追加・改善されている。 また、『5』に引き続きオンライン対応となっており、様々なオンラインサービスが楽しめた。 パッケージ車両は、2013年に満を持して発表された「シボレー コルベット スティングレイ (C7)」。 特徴・評価点 A-Spec/B-Spec 自分でクルマを運転するA-Specと、監督となってAIドライバーを勝利に導くB-Specの2つのモードが存在する。 ただし、B-SpecはVer1.16(2015年2月)からの追加要素であり、初期バージョンではA-Spec固定だった。 シリーズ最多の1200台以上の車種が収録されている。 収録台数が1000台以上と非常に多かった前作だが、今作では更に200台以上の車両が追加され、1200台以上の車種が収録されている。この収録車種はグランツーリスモシリーズどころか、レースゲームやドライビングシミュレーター全体で見てもトップクラスの量である。 今作の新規収録車種は、前作のフェラーリ・ランボルギーニの収録ほどのインパクトはないが、年代・国籍問わず幅広く収録されている。当時の最新車両であるNSXコンセプトや3代目バイパー、ファン垂涎のRX500やシェルビー デイトナコブラ等、多種多様な車両が収録された。今作でプレミアム化した車両も多く、ブガッティ ヴェイロン、ザウバー メルセデス C9、トヨタ2000GT等は好評を以て迎えられた。 また、前作は初回限定版や何らかの周辺機器の特典であり、入手困難だった特別仕様車も、今作ではほぼ全て導入されている。特に前作で非常に入手ハードルが高かったアウディ R8 クロムラインは、価格性能比に優れており実用性が非常に高い。 リストラ車種もなくはないが、事情が察せられるものを除けばジネッタとジェンセンの2台程度であり、批判の声は少ない。 Vision Gran Turismo これまでGTシリーズでは『4』にてナイキとのコラボレーションによる「NIKE ONE」や『5』にて「GT by シトロエン」や「レッドブル・Xシリーズ」など、実在企業とのコラボレーションによる架空車両の制作を度々行ってきたが、GTシリーズ15周年記念として各メーカーに「各メーカーが考えるグランツーリスモ」のテーマの元コンセプトカーを制作してもらい、それをGT6に収録する企画。 基本的にゲーム内だけの車両ではあるが、フルスケールモデルや実走可能なモデルが制作された車両もある等、現実世界への影響も大きい。一例として第1段の「メルセデス・ベンツ AMG Vision Gran Turismo」は、2017年の映画「ジャスティス・リーグ」に登場している。 当初は1年間程度の企画とされていたが、プロジェクトの長期化に伴い、次回作『SPORT』を超え現行作『7』でも企画が進行中である。 新規コースが多数追加され、合計で40ロケーション・107レイアウトを収録。時間変化・天候変化に対応したコースも増加している。 今作ではリアルサーキットに更なるテコ入れが施されており、有名な「シルバーストン」「バサースト」「ウィロースプリングス」等から、知る人ぞ知る「アスカリ・レース・リゾート」まで、多数のリアルサーキットを新規収録。後に「レッドブル・リンク」も追加されており、また前作とは違ってアップデートでの無料追加となった。その上で前作のサーキットはほぼ全て続投しており、前作で有料DLCだった「もてぎ」「スパ」も今作ではデフォルトで収録されている。 オリジナルサーキットは、カートコース「グランツーリスモアリーナ」とバリエーションが豊富な「マッターホルン」を新規収録。更に、前作では惜しくも収録が見送られた「アプリコットヒル」「ミッドフィールド」が復活し、従来作のファンを大いに喜ばせた。また、ニュルブルクリンクを超える超ロングコース「サーキット・デ・ラ・シエラ」も非常にユニークだとして好評であった。 トラックパスエディター Ver 1.21から追加された。前作の「コースメーカー」に当たる機能だが、いくつかのパラメータを設定して自動生成という作成方法であった前作とは違い、ゼロから自分でルートを作成できるようになった。 コースの作成には「トラックパスエディター」というアプリが必要であったが、2018年3月にオンラインサービスを終了したため、現在はダウンロード不可。 天体シミュレーターの実装 前作からの時間変化システムをさらに一歩進め、コースの緯度経度データを元にある日のコースの天体の動きを再現。 正直言われなければ気づかないようなものではであるが、細かい所も妥協しないポリフォニーデジタルのこだわりを感じるシステムである。 シリーズでもトップクラスのテンポの良さ 今作はレースやスペシャルイベントで賞金をかなり稼ぎやすくなっている。その為、高額な車も歴代シリーズに比べると比較的容易に購入できるようになった。 更に、耐久レースにかかる時間が大幅に緩和された。24時間耐久レースは24分間耐久レースとなり、時間経過を60倍にすることで疑似的に24時間耐久レースを再現するようになった。 挙動の改善 前作から挙動モデルを一新、リアリティがさらに向上した。 シリーズで初めてパーツメーカーとの協業を行い、横浜ゴムとタイヤモデル、KWオートモーティブとサスペンションモデルの開発を行い、リアリティの向上に一役買っている。 空力のシミュレーションに関しても、実車からのデータ収集を通して、大幅な改良・改善が施されている。 グラフィックの改善 適応型テッセレーションの実装により、カメラが車両への接近に伴い、車両のモデルに使われるポリゴンが細かく分割されるようになった。この最適化により、前作から更にグラフィックが進化している。そのグラフィックは次世代機のPS4にも引けを取らない程である。 また、HDRのダイナミックレンジを前作比で50倍に拡大、色味やボケ具合などがさらにきれいになった。 スタンダードカー/プレミアムカーの区分の廃止 『5』では過去作からブラッシュアップしたカーモデルを「スタンダードカー」、新規作成のモデルを「プレミアムカー」として明確に区分していたが、今作では(ゲーム内においては)その区分が無くなった。 これによりフォトトラベルにおいてもスタンダードカー(相当)、プレミアムカー(相当)両方、すべての車を写真撮影出来るようになった。 しかしながら区分を表記しなくなっただけであり、基本的にはモデルは引き継がれているので状態としてはさほど変化していない。 一部のスタンダードカーが、プレミアムカーと見紛うほどのモデリングに改善された。 前作ではスタンダードカーはPS2時代の3Dモデルが流用されていたため、プレミアムカーと比べてグラフィックに大きな差があった。しかし今作では、先述のプレミアム化した車両とは別に、一部車両のグラフィックが作り直され、クオリティが大幅に向上している。これらは通称「セミプレミアムカー」と呼ばれ、インテリアこそ未実装だが、エクステリアはプレミアムカーに決して引けを取らない。車両によってバラつきこそあるが、三菱 FTOやトミーカイラ ZZ-S、 シボレー C2型コルベット Z06等は特に美しいグラフィックを誇る。 前作のNA型ロードスターは2台のみプレミアム相当だったが、今作ではMX-5を含む全車がプレミアム相当に引き上げられている。これはNA型ロードスターのモデリングが全車共通な事を利用し、スタンダード相当だった車両に前作のモデリングを反映させたためである。あくまでエクステリアのみでありインテリアまでは再現されてないが、それでもこういった形のモデリング流用は好意的に見られている。また、各MX-5はボディペイントを施すとストライプが現れるようになっている。模様も全車異なり、細かな差別化の試みがうかがえる。加えて三菱 FTO等は、スタンダードカーは装備不可能なカーボンボンネットが用意される等、プレミアム相当の扱いを部分的に受けている。 全ての車がディーラーから買えるようになった。 前作までは中古車・プレゼントカー限定の車があり、更に中古車はランダムで入れ替わる、イベント制覇で貰えるプレゼントカーは全くのノーヒントのために、好きな時に欲しい車が買えない問題点があった。 レベル制からステージ評価制へと変更。 前作はレベル制が採用されており、レベルが低いうちはスポーツカーすら買うことが出来なかったが、今作ではレベル制が廃止されており、Cr.(お金)さえあれば好きな車をいつでも買うことが出来るように改善された。 また今作はメニュー構造が簡略化され、レースイベントに参加して「スター」を獲得することでゲームキャリアが進んでいく、カジュアルゲームのような様式を採用。スターは1つのレースイベントにつき最大で3つ獲得でき、「レースに出場」、「3位以内でフィニッシュ」、「1位でフィニッシュ」という3つの条件がある。 レースだけでなくライセンスもキャリア進行に組み込まれているため、ライセンスがないとレースに出られない仕様が復活している。しかし今作は各ライセンスの試験数が5つと歴代作品と比べてもかなり少なく、難易度自体もやや抑えられているので、レースに出るまでのハードルが下がっている。ただしゴールドタイムを狙おうとすると難易度は相応に高くなる。(*1) レース開始前のロード時間が大幅に短縮された。前作では約数十秒かかっていたロードが、今作では約10秒以内には終わるようになっている。 ロード画面も、前作は黒画面にコース名とロゴ、そして進捗バーだけという簡素なものであったが、今作はアニメーションを交えた画面になっており、体感時間も減少している。 本体・ネット回線によるが、初回起動時はパッチのダウンロード・ゲームデータのインストールに結構時間がかかる(*2)。前作と同様、画面上に表示される残り時間は当てにならない。 レース中のUIが一部改善された。 前作はタイヤの消耗がゲージのみで表現されていたが、今作はタイヤの隣に「0-10」の数字が表示されるようになり、どれくらいタイヤを消耗しているかが分かりやすくなっている。交換したばかりのタイヤは「10」だが、タイヤが消耗すると数字が減っていくようになる。また、現在装着しているタイヤの種類も表示されるようになっている。例として、スポーツ・ハードを装着しているときは「SH」と表示されるようになっている。 前作では消耗品だったペイントアイテムが、今作から何度でも使用可能になった。 前作には存在しなかったチューニングパーツ「ナイトロ」が復活した。ただし価格のわりに効果が強力だった『4』の反省か、今作では50万から1000万に値上がりしている。 自発的に探してみないと気付きにくい評価点だが、今作ではホイールやエアロパーツ等のカスタムパーツが新規に多数追加された。一例として前作にも収録されていた「三菱 i-MiEV」は、2012年のパイクスピーク仕様を再現できるエアロパーツが用意されている。 スペシャルイベント 『レッドブル Xチャレンジ』 2010~13年のF1チャンピオン、セバスチャン・ベッテルのレクチャーを受けつつ、フォーミュラカーのドライビングを段階的に学ぶモード。今作ではスペシャルイベントではなくなっており、ゲーム内では独立したイベントとして扱われているが、便宜上この項目で紹介する。 今作では「レッドブル X2014 ジュニア」「レッドブル X2014 スタンダード」「レッドブル X2014 ファンカー」の3台が収録されている。性能的には「ジュニア」は現実世界におけるF3に相当し、「スタンダード」はF1に相当、「ファンカー」は説明不要の最速マシンである。まずレーシングカートから開始され、レッドブル X2014 ジュニア→同スタンダード→同ファンカーと徐々にステップアップしていく。 前作のXチャレンジはベッテルのタイムとゴーストをそのまま使っており、PS3作品全体でも最高峰の難易度と語り草になっていた。一方で今作のゴーストは「ベッテルを模したAI」になっており、難易度が大幅に低下、練習すれば十分クリアできるバランスに改善された。また、今作のXチャレンジはアップデートでの追加となっており、仮にクリアできなくともプラチナトロフィー解除に影響しなくなっている。 今作のXチャレンジは資金稼ぎの側面も持ち合わせており、ジュニアでは約7000万、スタンダードだと1.15億を30分程度で稼ぐ事ができる。勿論相応のドライビングテクニックを求められるが、オンラインサービスが終了した現在でも十分な額の資金を稼げるようになっている。 『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード』 レースゲーム初収録となるコース「グッドウッド ヒルクライム」を使用して、イギリスで開催される伝統あるカーイベント、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードを疑似体験できるイベント。 『月面探査 ~LUNAR EXPLORATION~』 1971年7月、アポロ15号が月面着陸した際に走った月の探索ルートを月面車、ルナロービングビークル LRV-001を用いて走るイベント。 レーシングシミュレーターから離れたゲーム感あふれる内容とは裏腹に難易度は高め。地球の1/6である月の重力を再現した上で、本イベント専用の挙動エンジンを開発しており、車両の接地感はかなり低い。更に月面フィールドには岩がゴロゴロしており、乗り上げただけであっという間に転倒してしまう。 なお、このコースはイベント専用であり他の車種で走行することはできない。 『アイルトン・セナ・トリビュート』(Ver 1.08で追加) 「音速の貴公子」こと伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナの半生をたどるイベント。 セナが操ってきたマシンを用いてタイムアタックを行う。また、セナのキャリアを紹介するムービーも鑑賞できる。 『シエラ・タイムラリー』(Ver 1.12で追加) 全長約27kmを誇るオリジナルの超ロングコース「サーキット・デ・ラ・シエラ」を走るイベント。 走行距離に応じて加算されていくスコアを競う。コースにはプレイヤー以外の敵車も走行しており、追い抜くとスコアの倍率が加算される。連続して追い抜くとコンボとなり倍率がどんどん上がっていくが、接触やコースアウトをしてしまうと倍率が戻ってしまうため、速く走ることはもちろんいかに多くの敵車をきれいに追い抜いていくかが高得点の鍵となる。 スコアとは別に制限時間が設定されており、こちらはチェックポイントを通過すると加算される。コースを1周完走するか、残り時間が0になると終了。 賛否両論点 グレード・性能・国籍等の細かい違いだけで、別々に収録されている車種が多い。 これは前作の項目でも述べているが、従来作は日本版・北米版・欧州版で内容に差があったのを、前作から全世界共通の内容にしたため。例えばNA型ロードスターを残して、その海外版であるMX-5を削除してしまうと、MX-5に慣れ親しんだ海外ユーザーから反発を買ってしまう。こういった反発やオンラインプレイの弊害を避けるための処置であるが、事情を知らないユーザーからはただの水増しだと非難されやすい。 ちなみに、前作では車両国籍が販売国であり、その設定に少なからずミスがあったが、本作では全てメーカー国籍に変更・改善されている。 また、車種によっては日本向けと海外向けで購入可能なボディカラーが異なる(日産マーチ/マイクラなど)、NA型のマツダMX-5・MX-5ミアータに限りボディペイントを施すことでストライプが出現する(しかも異なる車名・グレード全てに個々のデザインが用意されている)等、ある程度の使い道や需要があるといえる。 「GT AUTO」にて、洗車やオイル交換をする際のアニメーションがカットされている。 『4』と『5』ではGT AUTOのスタッフが自分の車に対し、洗車やオイル交換する様子がアニメーションで分かるようになっていたのだが、今作からその演出がカットされ、初代から『3』までの演出に近くなった。 アニメーションがカットされたことでテンポ自体はよくなったのだが、アニメーションが無くなってしまったことを残念がる人も少なくない。 本作はナンバリングタイトルでありながら、オープニングテーマにシリーズお馴染みの『Moon Over The Castle』が使われていない。 スピンオフといえる『コンセプト2001』、『4』及び『5』のプロローグ版及びPSP版では同テーマが使われていないが、ナンバリングタイトルで使われていないのは今作が初。ファンにとってはグランツーリスモシリーズのオープニング=『Moon Over The Castle』と言っても過言ではなく、いつものテーマでない事に違和感を覚えやすい。 とはいえオープニング自体は非常に高品質であり、使用されている嘉生大樹氏の『All My Life』も文句の付け所がない名曲である。(*3) またネタバレになるため詳細は伏せるが、オープニングに使用されていないというだけで『Moon Over The Castle』自体は本作でもとある場面で使用されており、そこではしっかりとプレイヤーを盛り上げてくれる。 ただし、本作で使用されているのは『5プロローグ』及び『5』版であり(*4)、本作のために新たにアレンジされた『Moon Over The Castle』は存在しない。オープニング同様ナンバリングタイトルで新規アレンジが用意されなかったのは今作が初。 問題点 今作は発売日時点では複数の要素が未実装の状態であり、アップデートで段階的に追加するという形を取っていた。 この内イベントの追加等は、ゲーム全体のバランス・ボリューム・資金稼ぎの兼ね合いもあるため、致し方ない側面もある。GPSビジュアライザーやコースメーカー等については、外部会社との共同開発のため、実装に遅れが生じてしまうのも止む無しだろう。 問題なのはコミュニティ・クイックマッチ・ゴーストのリセット等、基礎的な要素・システムが後になって実装された事である。これらの多くは前作の時点で実装されており、今作では延期しなかった事も相まって「発売を急いだのでは」と邪推される結果となった。 特に前作では最初から実装されていたB-specは、発売から1年2か月が経過してようやくの実装であり、流石に遅いと言わざるを得ない。今作のB-specは前作とのそれとは全く異なるゲーム性・システムに昇華されており、それ故に開発が長期化したものと思われるが…。 次回作『SPORT』以降ではB-specは廃止された。 前作のコースメーカーではダートorスノーコースも作成できたが、今作の「トラックパスエディター」は舗装路コースしか作成できない。「鈴鹿サーキット」のような立体交差のあるコースも正規の方法では作れない。一応やろうと思えばできるが、少々バグじみたやり方となる。ただし舗装路に絞られた反面、「0から自由にコースを引ける」等、前作から劇的な進化を遂げている部分もあり、一概に退化とも言えない。 同じハードなのである程度仕方ないことであるが、前作『5』とあまり変わり映えのしない内容(*5)。 相変わらずプレミアムカーとスタンダードカーでグラフィックの差がかなり激しい。一部のスタンダードカーのグラフィックは改善されたとはいえ、PS2からのモデル流用が完全になくなったわけではない。 GT5で初登場だった「ジャガー XFR 10」についても、モデリングがスタンダードカー相当のままであり、プレミアムカー相当にリモデリングもされていない。 前々作『4』からの問題点である、ローリングスタートの際にスタートまでの時間がかかる点が改善されていない。 前作に引き続き、エンジンサウンドのバラつきが非常に激しい。 前作の途中から作られた車両は、シャシーダイナモを使ってエンジンサウンドを収録しており、これについては問題ない。しかしそれ以前の車両のサウンドは、基本的に『4』以前の流用であり、シャシーダイナモを使って収録した車両と比べるとどうしても劣る。あまりにも膨大な量の収録車種であり、現在ではまともな個体を探すのも難しい車両も多いため、致し方ない事ではあるが…。 最初に購入する車両が「ホンダ フィット RS 10」で固定されている。 ゲーム開始時の所持金300万Cr.以内で買える車両の中には、フィットよりも高性能な車両が存在するにも拘わらず、他車両を購入できない。これまでのシリーズ作品でも初期所持金額による購入可能車種の制限はあったものの、特定車両の購入を指定されるのは今作が初となる。シリーズ初心者が車両選択に悩むか極端に性能が低い車両を購入し、レースで勝てずに詰む事を防ぐ措置と考えられる。 尤も、このフィットは初心者が扱いやすいFFレイアウト、かつスポーツグレードの「RS」なので、チョイス自体は全く間違っていない。所持金300万に対し車両価格170万なので、仮にレースに苦戦したとしても、お釣りの130万でライトチューンができるよう配慮されている。性能も最序盤のイベントを問題なくクリアできる高さであり、その頃には2台目を購入できる資金も溜まるため、大した問題点にはならない。 本作で最初に購入出来る車両が固定なのは不評だったのか、ナンバリング続編の『7』ではフィット、アクア、デミオの三車種から選べるようになり、選択の幅が多少広がっている。 ガレージには500台までしか収容できない。 普通に考えれば充分多いのだが本作に登場する1200台以上もの車を納めるとなると、コレクション用の「ストックヤード」といったものも用意されており、それを使うしかないのだが、この「ストックヤード」の上限が9999台と、ガレージとの差が極端すぎる。 その為か、「ストックヤード」の出入り(ロード/セーブ)に数分位かかるなど、使い勝手も良いとは言えない。 PS3本体の負荷軽減のためか、ピット作業の描画が簡略化されており、ピットイン時は視点が強制的に車内視点に固定される。 これにより、タイヤ交換の様子がかなり分かりづらくなっている。 次回作『SPORT』以降ではハードの性能が向上したことにより、ピット作業の様子がリアルに再現されている。 ピットイン時は人間がピット作業する様子が描画されるのは『4』が初である。『3』以前のタイトルはピット作業は無人状態だった。 総評 グランツーリスモシリーズ15周年に相応しいシリーズの集大成の作品。特に収録車種は1200台以上、コースは40ロケーション・107レイアウトが収録されており、グランツーリスモシリーズ最大級のボリューム。粗が多かった前作から様々な要素を改善した本作は、まさに「リアルドライビングシミュレーター」の一つの完成形と言えるだろう。 余談 本作のPS4版も制作・発売される予定があったが、これは実現されず、次回作『グランツーリスモSPORT』に移行する形となった。 マルチプラットフォームでの発売は2022年発売のPS5/PS4用ソフト『グランツーリスモ7』がシリーズ初となる。 「Vision Gran Turismo」は当初は28社が発表されていたが、先述の通り、プロジェクトの長期化に伴い次回作以降に持ち越された。今作では何らかの事情で「アルファロメオ」「ベルトーネ」の2社が辞退し、その後「ミニ」が参入、最終的に16社のVGTが収録された。ちなみに今作におけるVGTは、ダッジ/SRTの「トマホーク ビジョン グランツーリスモ」が最後の収録となった。 本作のスタンダードカーの中には、プレミアムカー相当にまでモデリングされていないにもかかわらず、プレミアムカー相当の待遇を部分的に受けている車がある。 例えば「マツダ デミオ スポルト 03」のエアロパーツ「専用ウィング」が、他のプレミアムカーと同様、「汎用のデザインではなくその車のデザインに沿った専用のもの」も選べる点、「クライスラー プロウラー 02」では車内視点にするとメーターが動いている点、など。 後者については、屋根のないオープンカーはたとえスタンダードカーであっても、構造上の理由からか車内視点が用意されているのだが、大抵は「アウトウニオン V16 タイプC ストリームライン 37」のように、メーターは動作しない。
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新人類 【しんじんるい】 ジャンル アクションシューティング(公称 リアルサバイバルゲーム) 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 Rix Soft 開発元 ハドソン 発売日 1987年2月10日 定価 4,900円(税別) 判定 なし ポイント 役に立たない長州力のアドバイス 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 余談 概要 恐竜時代、人類の大先祖として生まれた「マックス」が、石オノやブーメランを手に、巨大恐竜に立ち向かうという設定の強制縦スクロールアクションシューティング。 長州力とタイアップしている。「 力 (リキ)の強さはハンパじゃない!!」や「 力 (リキ)がすべてだ!!」というキャッチコピーが記された販促チラシや、当時放送されたテレビCMにも長州力が出演していた。 ストーリー ムカ~シ昔の大昔。恐竜チラノザウルスやプテラノドンが、地上をノッシノッシと歩きまわっていたころ。我らがヒーローマックスは、石→オノ→ブーメラン→タイマツと4段階にパワーアップする武器を手に、冒険へと旅立った。ある時は鳥になって池を渡り、またある時は"リキ"となってリキラリアートの分身攻撃をしながら進む。目指すは、4頭の巨獣の棲む洞窟…。サァ超パワフルな 新人類 の旅へと出発しよう!! (チラシより引用) 特徴 全4ステージ、1つのステージは4つのエリアに分けられ、それぞれがミス時の復活ポイントになっている。 ステージ4クリア後はステージ1に戻るループゲーム。 無限コンティニューが可能。(コマンドは説明書に記載) ボスである超巨獣は、プテラノドン、チラノザウルス、瞬間移動能力を持つ大コブラ、そして多数の手下を操り分身の術を使うマックスの冒険最大の敵(ラスボス)である巨大バエ。 十字キーで移動、Bボタンで攻撃、Aボタンでジャンプ。 画面上にある花やツボ、ガイコツといった障害物を攻撃するとアイテムが出現し、得点アップ、パワーアップ、移動速度アップ、ライフ上限アップといったメリットが得られる。 プレイヤーの攻撃はパワーアップアイテムを取るごとに、投石→石オノ→ブーメラン→たいまつ乱射と派手になっていく。 自機は原始人の「マックス」、すなわち生身の人間である。『ガンスモーク』、『魔城伝説』、『キングスナイト』など人間が自機のシューティングゲームは当時でもある程度存在はしていたが、人間が自機であることに加えジャンプの概念があるシューティングゲームというのは珍しかったと言えるだろう。 壁などの地形・物体に当たってもダメージやミスにはならないが、池や谷、砂地獄に落ちた場合はミスになる。 壁とスクロールに挟まれるとライフとショットパワーが最低値まで減少する。 最大のポイントは隠しアイテムである「リキ」マークを取る事により、プレイヤーがオタスケマン「リキ」に変身する事である。 リキ状態になると、長州力の得意技である「リキラリアート」で攻撃できるのだが、その「リキラリアート」は画面上にリキの分身を飛ばすというシュールなものである。敵を貫通するとは言え、画面上に2発しか出せないのでたいまつと比較すると必ずしも使いやすいとは言えない部分もある。 評価点 強制縦スクロールSTGにアクションゲーム的なジャンプの概念を導入した点。 後述の問題点もあったが、他STGとの差別化には成功していたと言える。 BGMは数こそ少ないが、各ステージにマッチしており出来は良い。 作曲は多くのハドソンゲーに楽曲を提供していた国本剛章氏と井上大介氏によるもの。井上氏はステージBGM、国本氏は短いジングルを担当していた。 難易度は序盤ステージはゆるめで力押しでも進めるが、後半ステージは攻略法をしっかり固めないとクリアできない厳しさがあり、やりごたえは十分にある。 無限コンティニューが可能なうえ、コンティニュー時の再開場所がステージ内のエリア単位でステージの最初に戻されることがないのでプレイヤーの根気が報われやすい。 リキ化すると、チビキャラが筋骨隆々の大男になるため作風・絵柄的にリアルではないとはいえ強くなった実感が得られた。攻撃方法も自分自身を飛ばすというものだが、大男の攻撃方法としては違和感がなかった。 問題点 ハドソンのゲームらしい敵の意地悪な配置、動きもあいまってゲームの難易度は高い。 ライフ制+残機制を併用しているとは言え、敵や敵の弾に当たると1段階移動速度及び攻撃がパワーダウンしてしまうのでかなり苦しくなる。 敵編隊も高速で自機に突っ込んでくるタイプや自機の周りを包囲して近づいてくるタイプ、通常のショットでは動きを止めるだけで倒せない敵(*1)などが存在し手強い。 後半は敵の量、敵弾の量、トラップの数もかなり増える。またジャンプの操作性が悪く、落下判定の大きさ、分かりづらさもあって、狭い足場をジャンプして進んでいくシーンはかなり難しい。 説明書でも「羽を使って飛ばなければクリアするのは難しい」と書かれているくらいだが、Aボタン押しっぱなしで空を飛べるようになるアイテム「羽」マークという救済処置がある。 ただし、「羽」マークはすべて隠しアイテム扱い(あてずっぽうに撃ちまくって探すが必須)というなかなかに酷い仕様。 この頃のハドソンは「子供は上達が早くてすぐに解いてしまうから難易度は高い方がいい」という考え方があった。 CMを見てキャラが巨大化して見た目も強さも手に入れられることを期待してプレーしたら、実はリキ化は隠し要素で見つけられないと巨大化できないままでプレーを進めなければなかったため、CMとのギャップがあった。 リキ化すると攻撃のインパクトはあるものの、最大2連射しかできないため通常時のたいまつと比べると連射性能に劣る部分がある。 リキラリアートは全ての敵を一撃で倒せる貫通攻撃のため、連射せずとも敵を蹴散らすには十分である。 また、リキ化はボス戦に持ち越すことができず解除されてしまう。「リキの強さはハンパじゃない!!」ことをボスに見せつけることはできないのである。 アイテムが自機のショットを遮断してしまう。 本作は特定の障害物や隠し場所を撃ってアイテムを出すシステムなのだが、出現後のアイテムにも当たり判定が残るため、自機の全てのショットを遮断してしまう。このせいでショットが満足に敵編隊に届かないという状況が発生しやすい。 移動速度アップは取得デメリットもあるため、邪魔な存在になりやすい。まさに最大の敵はアイテム。 説明書記載のコンティニュー方法の記述に不備がある。 説明書にはゲームオーバー画面で「十字キーとスタートボタンを同時に押す」とあるが、実際は「十字キーのいずれかを押した状態でスタートボタンを押し、スタートボタンを離す」が正しい。 同時押しの場合、スタートボタンを押すタイミングが十字キーよりも早いとコンティニューに失敗しやすい。 エンディングが無い。 ラスボスを倒してもその後何事もなく、すぐ2周目が始まる。苦労してクリアしてもこれでは… 1987年発売のゲームでエンディング無しはさすがに古臭いと言わざるを得ない。 総評 CMでは大きくプッシュされていたリキ化が実は隠し要素だったという誇大広告な部分はあったものの、ジャンプによる地形の対応方法はこれまでのシューティングゲームとは違うゲーム性を体験できた。 ただ、後半の高難易度に加えて、落下でミスとなる池や穴といった地形の多さや、見た目との実際の判定がわかりにくい面があったことは当時のハドソンらしい作品だった(*2)。 余談 パッケージアートは「魔物ハンター妖子」などで知られる、アートミック所属時代の宮尾岳である。 なおパッケージに描かれている女性キャラはゲームに登場しない。 まだ開発中画面すら公開されていなかった頃は『ファミカセ新人類』という仮名で載っていた時期があった。 まるでディスク時代に反旗を掲げるようなタイトルである。因みにハドソンはディスクシステムのハードそのものを提唱しながらも発売したソフトは『ボンバーマン』を後の1990年4月に書換専用移植として出したのみ。 ハドソン開発なのに何故か別のメーカーから発売されているが、これは当時の任天堂がファミコンソフトの販売メーカーに対して粗製乱造を防ぐために課していた「年間に販売できるタイトル数に上限を設ける」という制限回避のため。 発売元の「Rix Soft」とは株式会社リコーの子会社「リコーエレメックス社」がファミリーコンピュータ用半導体を製造していた関係でゲーム事業への本格参入のために立ち上げたゲームレーベルで、両者の利害が一致してこのような形態でのソフト販売がなされることとなった。ただし、ハドソン提供番組等でCMが打たれたり、高橋名人がCMに登場するなど、ハドソン開発であることが半ば明かされていたようなものだった。 海外版ではタイトルが「Adventures of Dino Riki」となり、ゲーム内容に大きな変更はないが、設定上の主人公の名称が「Dino Riki」変身後の名称が「Macho Ricky」と設定され、タイトル名とは裏腹に長州力もリコーエレメックス社も無関係なハドソンオリジナルソフトとして発売された。 「Macho Ricky」のグラフィックもハドソンつながりで高橋名人をモデルにしたような風貌のキャラクターに書き換えられている。 これが『高橋名人の冒険島』にも逆輸入されたか1992年発売の『高橋名人の大冒険島』(SFC)『高橋名人の冒険島III』(FC)ではゲーム中の武器にそれまでの石斧に加えてブーメランが導入された。 岩崎啓眞氏のブログに関係者の証言が掲載されており、それによれば「新人類」というタイトルは「当時の新人プログラマー中心で制作されたため」、縦スクロールシューティングになったのは「MSXの『魔城伝説』を参考にしたため」とされている。 リキの「自分の分身を飛ばす」攻撃方法は前年稼働のアーケードSTG『ダーウィン4078』の隠し進化形態「BLACK DEAME」に似ているという指摘がネット上で散見されている。 説明書の最後には「長州力のワンポイントアドバイス」が記載されている。 + 心の中でのツッコミはご自由に。 やあ、みんな、毎日元気にあそんでいるかい? ちゃんと勉強もしてるかな? あそんでばかりでも、勉強ばかりでもヒーローにはなれないぞ! じゃあここで、リキがキミだけにゲームがうまくなる方法をちょっとだけ教えてあげよう。 まず第1は、ファミコンも体力だ、ってこと。 青っちょろいモヤシっ子は、いくらゲームだけやってもダメ。 まず外に出て、サッカーでもやって体力をつけろ。 キャラクターのフットワークもみちがえるように軽くなるぞ。 第2は、ファミコンも集中力だ、ってこと。 だらだらと何時間もやったってうまくはならない。 1日1時間なら1時間、集中してガッととりくめ。 リキは、集中力では誰にもまけない。キミもガンバレよ。 そして最後は、ファミコンも頭だ。 自分の頭を使って、いろんな攻略法や可能性を見つけ出すんだ。 人に頼ったりしないで、自分で考えて、応用力を身につけていこう。 そうすれば、初めてプレイするゲームだって高得点がマークできるようになるぞ。 このアドバイスをしっかり守って、キミもヒーローめざしてガンバレ!!
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抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 【ぬきげーみたいなしまにすんでるわたしはどうすりゃいいですか】 ジャンル ビッチなんかに絶対負けたりしないスタイリッシュ逃亡 バトルADV 対応機種 Windows 7/8.1/10 発売・開発元 Qruppo 発売日 【限定版】2018年7月27日【通常版】2018年8月31日 定価 【限定版】9,800円(税別)【通常版】8,800円(税別) 配信 FANZA 2018年10月5日/8,580円 レーティング アダルトゲーム 判定 良作 ポイント タイトル通り抜きゲーみたいな設定・世界観シナリオ面は意外と真面目&シリアスタイトルから誤解されやすいが「抜きゲー」ではない Qruppo作品ぬきたし / ぬきたし2 / ヘンタイ・プリズン 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 概要 アダルトゲームメーカーQruppoの処女作。 タイトルの「貧乳」は「わたし」と読む。公式の略称は『ぬきたし』。 タイトルにある「抜きゲー」とはエロに比重を置いたエロゲーのこと。 このジャンルにおいては「極端な男女比」「エロパワーで何でも解決」といったエロシーンに持ち込むためのぶっ飛んだ設定等も多い。 ストーリー 青藍島…ここは通称『ドスケベ条例』によって変態的交尾が許可されている楽園(パラダイス)。そこに転校してきた主人公『橘淳之介(たちばなじゅんのすけ)』は、誇り高き童貞であると同時に、骨の髄まで処女厨であった。だがドスケベ条例は彼の通うことになった水乃月学園も例外でなく、「セックスしないことは校則違反!そして同時に条例違反!即逮捕・即尺八・即プレイ!」規律を絶対遵守させる生徒会と風紀委員会、通称"SS"の魔の手から、淳之介は逃れられるのか……!?仲間と共に童貞を死守せよ!淳之介の戦いが今はじまる!(公式サイトより引用) SHOの恐怖による支配、そして同調圧力の蔓延する青藍島。しかしそこにもたしかに、セックスに恐怖する人間たちは存在していた。同性が好きで、兄以外の異性を受け入れられない妹。ビッチだと勘違いされているギャル同級生。ロリだと思われてセックスの相手にもされない先輩。自分の体型を晒すことに抵抗のある少女。そして自分のある一部にコンプレックスを持った少年。そんな少女たちを主人公―橘淳之介は密かに糾合していき、反交尾勢力を標榜する秘密結社"NLNS"を結成する。彼らに基地を提供し、資金を渡す"謎の老人"が出した条件はただ一つ。「とある少女を見つけ、保護すること」その少女こそが、青藍島、ドスケベ条例を崩壊させるための鍵だという―ならば、やるべきことはひとつ。SHOを欺いて貞操を守り抜き、件の少女を探し出す。そして―「―この俺が、ドスケベ条例をぶっ潰す!」(公式サイトより引用) 特徴 基本的なシステムはよくあるノベルゲームとほぼ同じ。 序盤から中盤にかけて、それぞれのヒロインのルート分岐の選択肢が一箇所あるが、それ以外は一本道。 登場人物 橘淳之介 本作の主人公。誇り高き童貞を自負した処女厨であり、過去の様々な経験から非処女を嫌っている。 橘麻沙音 主人公の妹。同性が好きであり、中でもギャルが好み。 渡会ヒナミ 外見がロリにしか見えないせいで、周りから全く見向きもされない少女。背が低いため、常にパイプ椅子を持ち歩いている。 片桐奈々瀬 ギャルっぽい見た目から学園ではビッチだと思われており、それを利用してエッチから逃げ続けている。 畔美岬 存在感の薄い文学少女。清楚っぽい印象だが、実は登場人物の中でも屈指のボケキャラ。 評価点 ぶっ飛んだ世界観・設定 清々しいほど、エロに全振りしたといっても過言ではないほど、ドスケベな世界観は、本作の魅力の一つ。 敵対勢力がエッチを推奨しているという設定でそこら中にドスケベのためのアダルトグッズが設置・販売されている。 どこでも尻壁プレイが楽しめる「尻壁オブジェ」、体に文字を書くとその場所が性的に欲情する「催淫ペン」といった謎技術で作られたアダルトグッズもいくつか登場する。 主人公たちが使う武器やアイテムは敵の持ち物検査を欺くためにアダルトグッズを催しているという設定になっている。冒頭でバイブ片手に戦闘が行われるシーンは説明なしの初見では困惑必須であろう。 上記のような常にエロと隣り合わせな世界観・設定なのでエッチシーンへの導入が非常にスムーズに感じられる。 「日常生活の中にエロが入る」というより、「エロの中で日常生活が行われる」といった感じなので、いきなりエロいシーンに入っても違和感を感じさせない。世界観が強烈すぎて感覚がマヒしているともいえるが。 他にも「ギロチンの刑」のシーンも語り草。 設定上は「条例に違反した人物を強制的に性行為させる公開処刑」であり、これだけ聞くとかなり残酷な行為なのだが、股を広げた状態で縛られた女性の下に男性が寝そべって配置されているという絵面のせいでどう見てもギャグにしか見えない。いわゆるシリアスな笑いである。 ぶっ飛んでいる割には練られている設定面 一見、何も考えずにエロに特化したような作風ではあるが、設定面は練られており、一定の説得力がある。これが本作を単なるバカゲー・抜きゲーに終わらせない魅力となっている。 一例を挙げると、性病や妊娠の徹底的な対策が行われている、ドスケベ条例は過疎化した島を復興させるために作られたため支持を得ている、など。 ドスケベ条例はエッチな行為なら何でもよいというわけでもなく、危険な性行為は相手との合意が必要、条例対象年齢未満のロリやショタに手を出すのはご法度など、一定の良識があるものとなっている。近親同士のエッチはセーフらしいなど、疑問が残るところはあるが。 その一方で、身体的なコンプレックスによりエッチをしたくない人や同性愛者などのマイノリティーのことが考えられていないなど、同調圧力による迫害が起きている問題点も描写される。これらが主人公たちがドスケベ条例から逃げつつも戦う理由となっている。 ストーリーの後半で第三勢力としてヤクザが関わってくるが、その理由は青藍島のドスケベ条例のせいで本島の性産業に影響が出ており、ヤクザのシノギを妨害しているという説得力のあるもの。 自重しないパロディネタ パロディ元は2010年代の直近の作品から、昔ながらの有名作品、ネットスラングまで幅広いが、多くの日本人が知っている著名な作品が元ネタである場合が殆ど。 チャプターごとのタイトルは大抵は何かしらのパロディネタとなっている。 ただし、世界観に準じてパロディネタの多くは下ネタに関連付けられてしまっている(後述)。 意外とシリアスなシナリオ 公式サイトの情報やタイトルからして、馬鹿馬鹿しいノリの抜きゲーのように思うかもしれないが、シナリオ面では意外とシリアスな展開が繰り広げられる。 上記の通り設定面はかなりぶっ飛んでいるため、ギャグシーンとシリアスシーンの落差も含めて、非常に濃いストーリーが展開されていくことになる。 とあるヒロインのルートでは性産業の負の側面が強調され、ある人物の過去描写もあって、バカゲーの皮を被った泣きゲーと評されることも。 賛否両論点 下ネタ・淫語を含むパワーワードの連発 上記のような設定のエロゲなので当然……と言ってしまえばそれまでかもしれないが、本作には下ネタや淫語がかなり多い。 中でも顕著なのがモブキャラたちのボイス付きの実況や淫語で、「島では積極的なエッチが推奨されている」という設定上、ストーリーを進める上で、モブキャラたちがエッチをしている場面にしょっちゅう出くわすことになる。 その言い回しの中には下品に改変したパロディネタや直球な下ネタなども多く、人を選ぶ。 「パワーワード」として笑える人ならばとことん笑えるが、あまりに下ネタが多いため、下ネタに耐性がない人の場合はうんざりしてくる可能性も。 18禁のアダルトゲームだからこそできる芸当と言えるし、本作の魅力の一つにもなってはいるが、下ネタである以上一概に評価点とも問題点とも決め難い。 問題点 若干ご都合主義な部分も ネタバレになるため詳細は省くが、シリアスなバトル部分(特に終盤)のシナリオはお世辞にも練られているとは言い難く、若干ご都合主義的な感じで勝利してしまうことも。 特にとあるヒロインのルートはバカゲーに片足を突っ込んでいるような流れで話が進んでいくため、勢い重視の「深く考えたら負け」的なシナリオとなっている。 シナリオ全体に統一感がない 好感度でヒロインが決まりストーリーが分岐していくシンプルなシステムだがヒロインごとの物語の温度みたいなものが違いすぎる。これをシリアスとバカゲーを共存していると捉えるなら1粒で2度おいしいと言えるが悪く言えば統一できなかったともいえる。上記でバトル部分のご都合主義的なものがあると触れているがご都合主義が発動するヒロインとそうじゃないヒロインがいるのでまるでアンソロジー作品のように1つの題材を複数の人間が書きそれを乱雑にまとめただけに見えるのが問題点と言える。メタ的な話になってしまうがシナリオライター同士でどこまでネタに走るか、シリアスな部分を残すかの連携が上手くいかなかった為に担当したキャラ毎のシナリオによって温度差ができてしまったのではないかと思われる。 総評 一見ぶっ飛んだ設定のバカエロゲーに見せかけて、シリアスな物語が展開されていく作品なのでそこを受け止められるかによって評価が変わる。 タイトルを見て気楽に楽しめるゲームだと思って購入したプレイヤーからすれば唐突なシリアスや重い展開は期待外れであり、そこを許容できるかそうでないかが個人個人のゲームとしての評価を分ける部分であろう。 しかしインターネットで情報が簡単に行き来し獲得できる現代だからこそタイトルはバカゲーっぽいが中身は一味違うゲームとして有名になりプレイ人数が増え結果的にはアニメ化や漫画化したりするなど商業的には大成功した作品と言える。 総じて前述したエロに全振りしたぶっ飛んだ世界観こそ許容するという大前提はあるが、それさえ受け止めることができるのであれば、笑いあり、愛あり、涙あり、エロありの濃厚な物語を存分に楽しめる作品と言えるだろう。 余談 メインクリエイターは本作以前に同人サークル「はとのす式製作所」で活動していた。 このサークルで発売されたタイトル『雨衣カノジョ』のポスターが、本作の主人公の部屋に貼られている。 公式同人誌『ぬきたしお疲れ様本』等もこちらのサークル名義で発売されている。 2020年3月に放送されたテレビ番組『勇者ああああ』の「勇者ああああ GAME OF THE YEAR 2019」において、芸人であるマヂカルラブリーの野田クリスタルによる本作の紹介が行われた(*1)。 他のノミネート作品がゲーム映像やパッケージを直接出して紹介していたのに対し、ごりっごりのエロゲーである本作を深夜番組とはいえ、地上波で直接紹介できるわけがないため、野田クリスタルが描いた下手過ぎて全く似てない登場人物の似顔絵によって、紹介が行われた。 前述した「ギロチンの刑」なども紹介され、まさかの地上波デビューにSNS上では話題となった。 その後、2020年8月に同番組で行われた「徹底討論! ド~なる!? ギャルゲーの未来」において、またしても野田クリスタルが「一番泣けるゲーム」として、下手くそな似顔絵と共に『ぬきたし』を紹介。 しかし、ヒロインの一人である畔美岬の紹介と共にア〇メ漱石のパワーワードが出た時点で、番組スタッフから「ここ広げても使えない」と言われてしまい、野田クリスタルによる『ぬきたし』の紹介は殆どカットされてしまった。 ちなみにこの回に共演していた天津の向曰く、この番組で野田クリスタルが本作をプレゼンしたことによって、下記のプレミア化に拍車をかけた模様。 動画サイト・SNS等を通じて普段エロゲをしない層にまで広がり、初回版や予約特典はプレミア価格となっている。 続編の発売時に『1+2』のセット販売もされたが、そちらもプレミア化している。DL版が手を出しやすいだろう。 また、本作の影響からか同人サークル時代のオリジナルタイトルもプレミア化している。 2020年12月25日からまんが王国にて、コミカライズ版が連載開始された。 タイトルは『ぬきたし-抜きゲーみたいな島に住んでるわたしはどうすりゃいいですか?-』。原作の「貧乳」部分はひらがなの「わたし」に変更されている。 2021年10月16日にはウルトラジャンプでも連載開始されることが発表された。 2021年3月11日に稼働したマーベラスのAC音ゲー『WACCA Lily R』に本作の1stOP主題歌「非実在系女子達はどうすりゃいいですか?」が収録されてしまった。 AC音ゲーにアダルトゲームの楽曲が収録されることはこれまでもあったが、『ぬきたし』の主題歌収録はあまりにも衝撃的過ぎたため話題を呼びTwitterでのトレンド入りも果たした。 また、2022年9月15日にセガの『CHUNITHM NEW PLUS!!』にも「非実在系女子達はどうすりゃいいですか?」が収録された。 2024年1月28日にはアニメ化が発表された。 タイトルは『ぬきたし THE ANIMATION』、サブタイトルは『▢▢▢▢みたいな島に住んでる▢▢▢▢▢▢▢はどうすりゃいいですか?』と白く塗りつぶした異例の形になっている。もう何が何だか分からねぇよ その後の展開 約1年後の2019年7月26日に『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 2』が発売された。詳細はリンク先を参照。 2022年1月28日にQruppoの新作として『ヘンタイ・プリズン』が発売。 2023年6月23日には『NUKITASHI』のタイトルで英語・中国語対応でSteam版が発売。パブリッシャーはShiravune。 ただし、日本語はボイスしかサポートしておらず、いわゆる「おま語」となっている。 2024年6月28日にリマスター版『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか? 1+2 Remaster パック』が発売予定。
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マジカルドロップ 【まじかるどろっぷ】 ジャンル アクションパズル 対応機種 アーケードスーパーファミコンセガサターンプレイステーション 販売・開発 データイースト 発売日 【AC】1995年6月【SFC】1995年10月20日/8,500円(税別)【SS】1995年12月15日/5,800円(税別)【PS】1996年1月13日/5,800円(税別) 廉価版 【PS】Major Waveシリーズ アーケードヒッツ2002年11月28日/1,500円(税別)発売元 ハムスター/販売元 コナミ 配信 バーチャルコンソール【SFC】2007年5月29日/800Wiiポイント(税5%込)ゲームアーカイブス【PS】2007年12月26日/600円(税5%込) 備考 【AC】1995年9月にマイナーチェンジ版『PLUS1!』稼働【PS】マジカルドロップIII+ワンダホー!1999年2月25日/4,200円(税別) ※『PLUS1!』の移植【PS】マジカルドロップIII+ワンダホー!(再販)2001年3月1日/2,800円(税別)/発売元 タイトー 判定 良作 ポイント 反射神経重視の落ちゲー末期のデータイーストを支えた代表作 ※本項ではオリジナルであるAC版およびそのマイナーチェンジ『PLUS1!』を中心に解説します。 システムが一部異なるSFC移植版や、キャラクターの異なるSS・PS移植版については後述。 概要 基本ルール 評価点 問題点 総評 移植版 続編・派生作品 余談 概要 データイーストから1995年にリリースされたパズルゲーム。 「同じ色を縦に3個以上集めると消える」という簡単なルールと操作性、可愛らしいキャラクター達で人気を博した。 なお公式ジャンルはアクションパズルとなっているが、「本作や『パズルボブル』のように、操作するオブジェクトは落ちてこないがフィールドが埋まらないようオブジェクトを消していくゲームも一般的には落ち物パズルとして認識されている」(用語集/ジャンル/システムより抜粋)こと、本作の画面を上下反転させれば一般的な落ちものパズルと見なせることから、記事中では本作を落ちものパズル(落ちゲー)として取り扱う。 以下、AC版をベースに説明する。 基本ルール 7列x13段のフィールドで構成される。また一般的な落ちゲーとは逆に、上方に向かって重力が働いている。 フィールド上方から赤・黄・緑・青の4色のブロック(以下、ドロップと呼称)が1段単位でせり出してくるので、下記条件のもとドロップを消していく。いずれかの列のドロップが最下段を超えるとミス。 フィールドの最下段には「ピエロ」というキャラがいて、レバー左右と「取る」「投げる」という2ボタンで操作する。(*1) 「取る」ボタンを押すと、ピエロと同じ列のすぐ上にあるドロップを取り込む。 そのドロップの上が同じ色のドロップの場合、何個でも一度にまとめて取る。 別の列に移動して、更に同じ色のドロップを取り込むことも可能。 「投げる」ボタンで、取り込んでいるドロップ全てを今いる列に投げ返す。 この時、投げたドロップを含めて同じ色のドロップが縦に3つ以上並ぶと、隣接した同色のドロップを含めて消える。 消えたドロップの下にあるドロップは上方に移動し、その結果同色のブロックが縦に3つ以上並ぶと連鎖となり高得点。このような最初の起爆だけで繋がる連鎖を「組み連鎖」と呼ぶ。 また、ドロップが消える演出中でもピエロを操作可能であり、消えている箇所とは別のドロップを受付時間内に消しても連鎖扱いとなる。これは落ちゲーというジャンルの中で本作の独自性を象徴する要素であり「後付け連鎖」と呼ぶ。 ドロップが消えるのは、ピエロから投げられたドロップを起点とする場合のみ。初期配置や、せり出した結果として縦に3つ以上並んでも勝手に消えることは無い。 通常のドロップ以外に、下記の特殊なドロップがある。 氷ドロップ…おじゃまドロップ。これだけでは何個並べても消えない。通常のドロップを消したときに隣接していると、画面内全ての氷ドロップがその色の通常ドロップに変化する。隣接していた分は必然的に消える。 スペシャルドロップ…色付きのお助けドロップ。3つ以上揃えて消すとその色と同じ画面上のドロップが全て消える。出現するスペシャルドロップの色はキャラによって異なる。 対戦時のルール 消したドロップの数や連鎖数に応じて、相手のドロップを1段単位でせり出させる。 相手のいずれかの列のドロップが最下段を超えるか、設定されたノルマ数(初期設定で200)だけドロップを相手より早く消すと勝利。 このノルマシステムは当時としてはかなり画期的であり、たとえ盤面的には劣勢であっても、相手より先にノルマを0にしてしまっての逆転勝利ができるようになった。また、グダグダな展開になり対戦時間が長引くような事態を防ぐ効果もある。 また、ノルマが減るタイミングは「 連鎖が終わった時点 で消した分のノルマの数値が減る」であり、連鎖中にノルマを0にできるだけの数を消した瞬間に勝負がつくわけではない。あまり大連鎖に拘りすぎると、その間にこまめに連鎖をしていた相手側が先にノルマクリアしてしまう事もあり、状況判断力も重要となる。 評価点 分かり易いゲーム性と爽快感。 デモを一度見るだけで難なく覚えられるルール。そして、じっくり大連鎖を組むような「思考型」タイプではなく、パッと見で消せそうな所からひたすら消していく「反射神経」寄りのゲームである。連鎖など考えずひたすら同じ色を3個以上かき集めるだけでも最低限のプレイが成立するため、落ちゲー初心者でも安心。 アクティブに連鎖を狙えるゲームは他に『パネルでポン』等も存在するが、今作のドロップ移動は上下左右の入れ替えが実質可能なので、操作の自由度が高い。使いやすい色を一箇所に固めるなど、他の落ちゲーにできない戦略を直感的に狙うことができる。 たとえば適当な場所に2個くらいドロップを固めておけば、そこに同じ色を付け足すだけで連鎖数が増やせてしまう。 もちろん、慣れれば『ぷよぷよ』の定石を流用して一度の起爆で大連鎖になるものを組むも良し、後付け連鎖しやすいように組むも良し。大連鎖で自分のフィールドがスッキリしていく様はまさに爽快。 各キャラの攻撃パターンも「一見厄介だが、工夫すると組み連鎖に使えるもの」「3個集めるのは簡単だが、連鎖に逆用し難いので地道に消すしかないもの」「弱キャラは2色なので対応されやすい」など差別化できている。 後に稼働したマイナーチェンジ版『PLUS1!』では1人専用でとことんプレイするソロプレイモードも追加されており、じっくり楽しむことも可能。 可愛らしいキャラクター達と演出。 ポップでゆる~いキャラクター達が織り成す世界観が、多くの女性ファンの支持を集めた。 各キャラはタロットカードの大アルカナをモチーフとした妖精で、マスコットキャラのような小粋な口調で対戦を盛り上げる。オルゴールのようなBGMと相まって、雰囲気はまるで絵本に囲まれた子供部屋のよう。(*2) 目が大きくデフォルメされた造形、パステルカラーの色合いなど、従来のパズルゲームと違ったデザインセンスは他に無い魅力がある。キャラクター達は『対戦ぱずるだま』よろしく多彩でコミカルな動きを見せてくれるため、プレイの様子を見ているだけでも楽しい。 今作のキャラデザは次回作に引き継がれなかったものの、特にデフォルメの効いた一作目のデザインを好むファンは多い。 ドロップを取る・投げる・消える際のSEも小気味よい。 問題点 狙った連鎖が難しい。 評価点で「連鎖を組むも良し」と述べたが、縦3個以上で消えるというルールにより、確率的に「1~2個のドロップを取って、有用な列に投げ返す」行為が一筋縄ではいかない。既に同色で縦3個以上並んでいて取ろうにも取れなかったり、うっかり合計3個以上取ってしまうといった状況もままある。当然ながら狙う連鎖数に応じて必要なドロップの配置変更も増大するため、修練が必要なのは他の落ちゲーと同じである。 前述の通り、本作の敵からの攻撃は1段単位のせり出しであるため、配置がずれたり起爆点が塞がれるようなことは無いのが救い。 連鎖の受付時間が短く、1連鎖目が消える演出中に後付けで2連鎖目を繋げるのは「投げた」後の硬直時間と入力受付開始のタイミングを体で覚えていないと厳しい。実践では2連鎖以上の発生中に後付けすることが殆ど。 これらの要因により、本作ではせり出された配置による偶発的な連鎖が勝負を分けることも少なくない。 次作以降では受付時間が緩和され、後付け連鎖がやり易くなり爽快感が増した。 ひたすら忙しい。 一般的な落ちゲーであれば、連鎖の演出中は一息つく場面である。一方、本作は後付け連鎖という要素により更に攻撃を叩き込むチャンスであり、勝負が決するまで休む暇もない。初心者であっても、せり出し対策でドロップが多く積み上がった列を均す作業を素早く行えるかどうかで差がつく。上級者同士の対戦ともなると、常にレバーとボタンのどちらかが動いているほどの激しい操作が必要になる。 本作には相殺システムが無く、フィールドが空でも5~6連鎖で瀕死となる量のドロップが一度にせり出してくることも、忙しさに拍車をかける。 総評 取っつき易さと許容するプレイスタイルの幅広さ。一心不乱にドロップを消すという作業が生み出す中毒性。 滅多にゲーセンに行かない客層からヘビーゲーマーに至るまで多くの支持を獲得し、探偵 神宮寺三郎シリーズとともに末期のデータイーストを支えた代表作となった。 幸い移植や続編に恵まれており、最新機種でもプレイは容易である。2020年代にプレイしてもその魅力は変わらないであろう。 移植版 + 移植版一覧 家庭用移植版はSFC・SS・PSで発売。 いずれもAC版『PLUS1!』のソロプレイに準じた「とことんモード」、および詰将棋のような新規モードの「かんがえモード」が追加されている。 SFC版 ノルマ制が廃止され、解像度の関係でフィールドの横の広さが7列→6列に減少している。 細かい違いとして、最下段でドロップを操作するのがピエロではなく使用キャラクターのミニバージョンに変更されている。 SS版/PS版 SFC SS PS(無印) PS(ワンダホー!) なぜか原作のキャラクターが登場せず全て3Dポリゴンのオリジナルキャラクターに差し替えられている(上記画像参照)が、お世辞にも造形が良いとは言い難く、非常に不評だったことで有名(*3)。多くのキャラクターは差し替え前のボイスがそのまま流用されている。 こちらも最下段でピエロの代わりに使用キャラクターを操作するようになっている。 ただし、キャラクターが異なるという外見上の不評点を除けば、ゲーム内容自体はきちんとAC版に準拠しており、モードも充実しているため普通に遊ぶ分には不備はない。 PS版『マジカルドロップIII+ワンダホー!』 上記のPS単体版とは別に、改めてAC版のマイナーチェンジ『PLUS1!』の忠実移植版が『III』と共にカップリング収録されている。 加えてAC版に無かった「かんがえモード」も「PUZZLE TRY!」モードとして追加収録されており、選べるモードの点でも旧PS単品版に劣ってはいない。原作の雰囲気を求めるならこちらだろう。 続編・派生作品 操作が簡単で分かりやすいこともあってか、携帯機はもちろん携帯電話向けにも派生作品が多数リリースされている。 + 続編・派生作品一覧 マジカルドロップ2 (1996年 AC・NEOGEO・SFC・SS) AC版は本作より基板をMVSに変更。 新キャラが多数追加された。1作目ではラスボスだったワールドもプレイヤーキャラに昇格。モチーフにタロットが関係しない隠しボス「ブラックピエロ」は本作でデビュー。 連鎖の受付時間が緩和され、後付け連鎖が容易になった。また特殊ドロップの種類が増え、シリーズの土台となった。 キャラによって攻撃玉の配置や強さに大きな差が出てきたのは本作から。それゆえに、対戦時に腕の差がある場合は、キャラ選択でハンデを設けることもできた。 SFC版には、文化放送とのタイアップで一部キャラクターを差し替えた非売品のスペシャルバージョンが存在する。 SFC通常版は後にニンテンドウパワーでの書き換えや、Switch『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』でも配信。 SS版はアーケードの移植に加え、家庭用オリジナルアレンジの「スペシャルモード」も収録。 MVS版は後にアケアカNEOGEOでも配信。 マジカルドロップIII (1997年 AC・NEOGEO・SS・PS・Win) 全てのアルカナをモチーフとしたキャラクターが揃った。その中で『力(ストレングス)』のアルカナのみ父と娘(*4)で2人いる。攻撃方法もキャラクターによって大きく変わるようになっている。前作では、色が同じでもスペシャル玉と通常玉は同時に持てなかったが、本作では同時に持つことが可能となった。プレイヤーが任意に自分のフィールドをせり出させることが可能になり、対戦のテンポが加速。連鎖の受付時間が『2』より更に緩和されたことも相まって、後付け連鎖でガンガン攻めつつ、状況によってはノルマクリアの為に大きな連鎖をしない…などの駆け引きも重要な作風になった。 SS版/Win版は『マジカルドロップIII とれたて増刊号!』として大幅にアレンジ移植。AC版と比較して、それぞれのキャラクターの攻撃方法や、所持しているスペシャル玉などが別物レベルで変わっている。ストーリーやエンディングも一新。 PS版は『マジカルドロップIII よくばり特大号!』として、上記アーケード版の完全移植とSS版『とれたて増刊号!』準拠の移植を共に収録したカップリング移植となっている。加えて、ゲーム内で使用されたグラフィックやボイスなどを鑑賞できる「おまけモード」も追加。 さらに、PS版では後に廉価版『マジカルドロップIII+ワンダホー!』が発売され、こちらは上記『よくばり特大号!』の再録に加えて、新たに上記のAC版『PLUS1!』の移植版ディスクが増えた2枚組に変更。これ1本でAC『III』+家庭用オリジナル『よくばり』+AC『PLUS1!』が遊べる豪華版になっている。 ゲームアーカイブスでは『よくばり特大号!』単体のみ配信されている。MVS版は後にアケアカNEOGEOでも配信された。 マジカルドロップF 大冒険もラクじゃない! (1999年 PS) マジカルドロップシリーズにおいてデータイーストが最後に関わった作品。データイーストがACから撤退したためPSのみでの発売となり、ストーリーモードなどが追加された。各キャラクターは対戦時にアイテムを使用することで『変身』し、様々な効果を引き起こすことができるようになった。 しかしキャラクター数に反して連鎖のボイスがあまりに少なすぎることや、絵の作風が大きく変わってしまった事には「否」寄りの意見が多い。 後に廉価版が出された他ゲームアーカイブスでも配信された。 前作では、ストレングス親子はそれぞれストレングス(父)とストレングス(娘)という名前になっていたが、本作ではストレングスの娘の方が「ストレンコ」という名前になった。 マジカルドロップV (2012年 Win(Steam)) 2003年にデータイーストが倒産し、ジー・モードが版権を取得してから初のナンバリング作品。開発はフランスのGolgoth Studio、販売は同Ignition Entertainment。 かつてデータイーストが発売を予定していたがお蔵入りになったゲーム『ゴーストロップ』の要素が丸々追加されており、同作のキャラクターを使用するとシステムが『ゴーストロップ』のものに変化する。つまり『マジカルドロップ』VS『ゴーストロップ』という異種パズル戦も可能。 しかし、日本語環境下での頻発するクラッシュや雑な日本語訳、画面がバグりまくるオンライン対戦などが原因で、特に日本のファンからは黒歴史認定されている模様。2020年7月末に販売終了(体験版のみ配信継続)。 マジカルドロップVI (2023年 Switch・Win(Steam)) Vから再び会社がまるっきり変わって発売。開発はポーランドのStorm Trident と Highball Games、販売は『パンツァードラグーン リメイク』『フロントミッション ザ・ファースト リメイク』などを手掛けた同Forever Entertainment。 ナンバリング以外の派生作品 マジカルドロップ ポケット (1999年 NGP) マジカルドロップ for ワンダースワン (1999年 WS) MAGICAL DROP (2000年 GBC) ※日本国内未発売 マジカルドロップ Touch (2009年 Android/iOS / 配信 G-MODE) ※配信終了 マジカルドロップゆるっと (2009年 DSiウェア / 配信 G-MODE) ※配信終了 『ゆるゆるフレンズ』とのコラボタイトル。 G-MODEアーカイブス19 マジカルドロップDX (2020年 Switch/Steam / 配信 G-MODE) ガラケーアプリ版『DX』の復刻配信。元が携帯電話ベースのため、従来と異なる操作性に難あり。 ガラケーアプリ版 主に2000年代半ば頃にかけて配信された。中には他メーカーのゲームとのコラボレーションタイトルも存在していた。 余談 本作の原案は、ロシアのRUSS社が1992年にMS-DOS用にリリースした『DROP-DROP』というゲームであり、RUSS社からライセンス許諾を受けたデータイーストが連鎖の概念を導入するなどゲーム性を高める開発を行った。3作目以降はデータイーストが版権を吸収している。 『III』で全てのアルカナをモチーフとしたキャラが揃ったため、PS版『III』の発売時にはキャラをデザインしたタロットカードのプレゼントキャンペーンが実施された。 これとは別に、2000年に初代でのみキャラクターデザインを務めたつかぽん(塚本つかさ)氏が個人で全てのアルカナをデザインしたタロットカードが同人誌即売会で販売された(当然、『2』以降の追加キャラのデザインは異なる)。つかぽん氏のサイトでも右上のTAROTアイコンをクリックすると、ランダムでタロットカードを見る事ができる。 1997年にフェイスから『マネーアイドルエクスチェンジャー』というゲームが発売されたが、同作のルールは本作『マジドロ』と、富士通パソコンシステムズの落ち物パズル『もうぢや』のルールを組み合わせたような内容となっていた。 同年、データイーストはこれを著作権侵害であるとしてフェイスを提訴。だが、その後まもなく1998年にフェイスは倒産した。この一件の詳細については『マネー~』の記事も参照。 なお、当のデータイーストの方も1999年に和議申請・2003年に破産宣告。 これを受け、翌2004年にジー・モード(G-MODE)が『マジカルドロップ』を含むデータイーストのゲームライセンスを取得し、以降は同社によるシリーズ展開およびライセンス提供が中心となっている。 11年ぶりとなるナンバリング最新作『マジカルドロップVI』が2023年4月25日にSwitch、翌26日にWin(Steam)向けに配信された。開発はポーランドのStorm Trident と Highball Games、販売は『パンツァードラグーン リメイク』『フロントミッション ザ・ファースト リメイク』などを手掛けたForever Entertainment。(参考記事)
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脳内覚醒ハニカムビート 【のうないかくせいはにかむびーと】 ジャンル パズル 対応機種 ニンテンドーDS メディア 128MbitDSカード 発売・開発元 ハドソン 発売日 2006年8月10日 定価 2,800円(税別) プレイ人数 1人 セーブデータ 4個(オートセーブ) レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント シンプルなパズルちょっと変わった雰囲気 ガイヨウ ルール パズルモード トライアルモード ヒョウカテン モンダイテン ソウヒョウ ヨダン ガイヨウ ハドソン(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売されたパズルゲーム。 このページのようにモード名などがカタカナで表記されているのが特徴。解説やルール説明などは漢字も使われているため読みにくいといったことはない。 ルール ハニカムパネル(蜂の巣型のパネル)をタッチペンで叩くとパネルは裏の色に変化します。 そこから発生する波紋は隣接するパネルを反転させます。 ハニカムパネルを白一色に統一するか、横一列で同じ色に揃えるのが目的となります。 (公式サイトより引用) 例えるなら『スーパーマリオ64DS』などに収録されているミニゲーム『パズルパネル』に近い。 + ちょっと詳しく ギミックとして、『ベクトルラベル』と呼ばれる矢印が存在する。 これが貼り付けられたパネルは、タッチすると矢印の方向のパネルが一列まとめて一気に裏返る。 ラベルは4つまでストックする事ができ、ゲーム中は好きなタイミングでパネルに貼れる他、トライアルモードではベクトルラベルが貼られたパネルを消せば獲得できる。 因みに、ラベルの貼られたパネルに裏返した時の波紋を当てると向きが変わってしまう事があるが、この時の向きにはある法則性がある。パズルモードでは特に重要。 パズルモード 200個の問題を解くモード。どの問題も制限時間はない。 規定数以内のタッチで全パネルを一色にできればクリア。規定数+10回でゲームオーバー。 クリアするたびに新しい問題が解禁される。 また一定数クリアするごとに新しい背景やBGMが解禁される。 トライアルモード せり上がってくるパネルが画面端にたどり着く前にパネルを消すモード。 このモードでは横一列に同じ色のパネルを揃えるとその列が消える。 なおパネルの形状の都合上、消した列が奇数だとその上のパネルがかみあわなくなってしまい、波紋が届かなくなる。 画面上のラインにたどり着く前に規定数のパネルを消せばクリア。たどり着くとゲームオーバー。 同じ色を連続して消したり同時消しでスコアが増えるなどパズルモードにはない楽しさがあり、スコアアタックも楽しめる。 ベクトルラベルを利用すれば4列以上の同時消しも可能。狙ってだすには相当の仕込みが必要だが。 クリアかゲームオーバーになると消し方に応じて評価が表示されるのだが、なぜか画像のように生物に例えて評価される。 最初のうちは「ミトコンドリア」「ハエ」など辛口な判定を下されるが高成績を出すと少しずつ進化して人に近付いてゆき、そして… ヒョウカテン ゲームテンポ、レスポンスが良く快適に遊べる。オートセーブも速い。シンプルなゲームなので嬉しい。 チュートリアルが充実している。 パズルモードの一部問題は数独で有名なニコリが作成している。 いずれも高難易度で手ごたえがある。 SE BGMともに派手で気分を盛り上げてくれる。 少しずつ隠し要素が解禁されるためモチベーションを保ちやすい。 モンダイテン パズルモードにはヒント機能などがないため、解けない問題が出たら放置するしかない。 総当たりは一応可能だが現実的ではない。 序盤の20問程度は一発で答えが分かるような配置。流石に多い。 トライアルモードではスタートボタンを押して中断することでじっくりと考えることができてしまう。 1人用のゲームなのでこのインチキをしたところで自己満足にしかならないが。 ソウヒョウ 独特の雰囲気だがゲーム自体は至ってシンプル。 安価で楽しめるDSiウェアなどでパズルゲームが購入できる現在ではやや割高感がある。 ヨダン ほぼ全操作が下画面とタッチに集中しているので全ボタン・上画面が壊れていてもほぼ問題なく遊べる。